12月2日、コカ・コーラは、水・包装・気候・農業に関するこれまでの環境目標に代わる、新たな自主的環境目標を発表した。この進化は、数十年にわたるサステナビリティへの取り組み、進捗状況の定期的な評価、そして特定された課題を通じて収集されたデータに基づいているという。更新された目標は、2035年を目標にしており、長期的な事業回復力を構築し、地域社会にプラスの影響を与えることを目的としている。
同社は、製品に使用する水の100%以上を自然や地域社会に戻す目標を掲げており、2015年以降この目標を達成している。また、高リスク地域200カ所以上で使用する水全体の100%を補給することを目指す。これにより、地域での水安全保障を確保する。さらに、施設のリスク評価を5年以内に再実施し、水使用効率の向上や安全な水の地域還元にも注力する。
また同社は、主要包装材(プラスチック、ガラス、アルミニウム)の35~40%をリサイクル素材に置き換えること、また市場に投入した容器と同等の70~75%を回収することを目標とした。このため、再利用可能包装の普及やリサイクルインフラ整備への投資を進める。具体的には、再設計と回収パートナーシップの2本柱で取り組む。ほとんどの包装(95%以上)はリサイクル可能であり、未対応の包装についても解決を進める。また、適切な回収システムの構築を推進するため、政策提言やインフラ投資を行う。
また同社は、2019年を基準に、Scope 1、2、3排出量を2035年までに1.5°C目標に沿った形で削減することを目指すことを発表した。この中には、自社の製造施設やボトリングパートナーの排出量削減も含まれる。これらの目標達成には、新技術や再生可能エネルギーへの投資が必要とされる。
農業に関する目標は設定しないが、サプライヤーや関係者と連携し、持続可能な農業原料の調達を支援する活動を継続するという。これにより、水使用の削減、排出量の抑制、森林破壊の防止を図り、サプライチェーンの高リスク地域の保全に努める。
同社は、目標達成に向けた進捗を毎年報告し、事業優先事項と整合性を保ちながら目標を見直していく方針である。
【参照ページ】
(原文)The Coca‑Cola Company Evolves Voluntary Environmental Goals
(日本語参考訳)コカコーラ社が自主的な環境目標を策定