テキサス司法長官、米運用大手3社をエネルギー市場操作で提訴

11月27日、テキサス州司法長官のケン・パクストンは、ブラック・ロック、ステート・ストリート、バンガードの大手資産運用会社を対象に、反競争的取引を通じて石炭市場を意図的に制限し、エネルギー価格を引き上げたとして提訴した。3社は、米国内の主要石炭生産企業の株式を多く保有し、その企業方針を操作する力を持っていたとされる。

訴状によれば、3社は2021年に共同で石炭市場をコントロールし、石炭生産を2030年までに半減させるという「グリーンエネルギー」目標を推進。気候変動対策団体「Climate Action 100+」や「Net Zero Asset Managers Initiative」を利用して、石炭供給の削減を共謀的に進め、アメリカ国民の電力コストを引き上げたとされる。また、ESG戦略を避ける意図で投資されたファンドにもESG方針を適用するなど、投資家を欺いたとされる。

パクストン長官は、一連の行為が連邦およびテキサス州の反トラスト法や不公正な取引に関する法律に違反していると述べ、「テキサス州は、破壊的な環境政治アジェンダのために金融業界を武器化する違法行為を容認しない」と強調した。10州の連合が本訴訟に参加しており、外部弁護士としてBuzbeeとCooper & Kirkが参加する。

【参照ページ】
(原文)Attor­ney Gen­er­al Ken Pax­ton Sues Black­Rock, State Street, and Van­guard for Ille­gal­ly Con­spir­ing to Manip­u­late Ener­gy Mar­kets, Dri­ving Up Costs for Consumers
(日本語参考訳)ケン・パクストン司法長官、ブラックロック、ステートストリート、バンガードを、エネルギー市場を違法に操作し、消費者のコストを押し上げたとして提訴

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    2025-8-14

    SSBJ(気候関連開示基準)とGX-ETSの共通点とは?~比較解説と実務効率化~

    日本企業にとって、2026年から「気候変動対応・開示」は、企業価値を左右する重要な経営課題になるで…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-11

    バークレイズ、サステナブルファイナンスで累計2,200億ドルを達成

    7月29日、英国大手銀行バークレイズは、2025年上半期のサステナビリティ投資家向けプレゼンテーシ…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る