11月27日、タイの財務省傘下の公的債務管理局(PDMO)は、Global Green Growth Institute(GGGI)の技術支援を受け、初の主権サステナビリティ・リンク・ボンド(SLB)を発行した。発行額は約300億バーツ(約1300億円)で、対象は機関投資家である。タイはこのサステナビリティ・リンク・ボンドを発行したアジア初の国であり、世界ではチリとウルグアイに次ぐ3番目となる。
この債券は満期15年で、2つの国家的な気候目標に紐付けられている。1つ目は、タイの温室効果ガスの排出量削減目標に沿って、2030年までに温室効果ガス排出量を30%削減することである。2つ目は、2030年までに電気自動車の導入を少なくとも30%促進することを目指すタイの「30@30政策」に沿って、ゼロエミッション乗用車とピックアップトラックの年間登録台数を44万台に増やすことである。これらの目標を達成できなかった場合、SLBの金利が上昇するペナルティが科され、逆に達成した場合は金利が引き下げられる。
これまでタイのサステナブル・ボンド市場では、主に民間企業によるグリーンボンドが主流であり、SLBの発行も民間に限定されていた。今回の発行は、タイ政府による初の主権SLBとなる。
GGGIは2014年以降、タイ政府や他のステークホルダーと協力してグリーン成長を推進しており、廃棄物管理・グリーンビルディング・グリーン産業・気候変動対策を通じて排出量削減やグリーン雇用創出に取り組んできた。
【参照ページ】
(原文)Thailand Issues THB 30-Billion, Asia’s First Sovereign Sustainability-Linked Bond, with GGGI Support
(日本語参考訳)タイ、GGGIの支援を受けアジア初の300億バーツのソブリン・サステナビリティ・リンク債を発行