ゼロエミッションの鉄鋼スタートアップElectra、120億円超を調達

 

10月6日、「グリーン・アイアン」企業のElectraは8,500万ドル(約123億円)の調達を発表した。

ビル・ゲイツが設立したBreakthrough Energy Ventures、Amazon、BHP Ventures、Temasek、S2G Venturesなどの投資家が同社を支援している。

2020年に設立されたElectraは、鉄鉱石を電気化学的に純鉄に精製するプロセスを開発し、同時に炭素排出をゼロにした。この方法では、プロセス温度を現行の1,600℃から60℃に大幅に下げ、石炭の代わりに断続的な再生可能エネルギーを使用し、商業鉱石の代わりに廃棄物として扱われることの多い低品位鉱石を利用する。

鉄鋼は、化石燃料の使用による直接排出量の7~9%を占める世界最大のCO2排出源であり、削減がより困難なセクターの一つである。世界の製造業がサプライチェーンの脱炭素化を目指す中、化石燃料を使用しない鉄鋼の需要は大幅に増加すると予想される。鉄鋼の排出量の90%は鉄鉱石から鉄への精錬に起因しているため、Electraのプロセスはこの問題を解決することを目的としている。

また、このプロセスは「グリーンプレミアム」ではなく、既存の製造方法と同じかそれ以下のコストであるとElectraは述べている。

【参照ページ】
(原文)Electra raises $85M to electrify and decarbonize iron and steelmaking with no green premium
(日本語訳)ゼロエミッションの鉄鋼スタートアップElectra、120億円超を調達

関連記事

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESMAのESG評価機関規則がもたらす変化と企業への影響(26年7月適用)

    2025-6-30

    ESMAのESG評価機関規則がもたらす変化と企業への影響(26年7月適用)

    2025年6月20日、欧州証券市場監督局(ESMA)が策定を進める新たなESG評価規則「Regul…
  2. 2025-6-26

    EU炭素国境措置、簡素化で合意 中小企業の9割が対象外に

    6月13日、欧州議会とEU理事会は、域外からの輸入品に事実上の炭素税を課す「炭素国境調整メカニズム…
  3. 2025-6-25

    IFRS財団、ISSB基準の実務導入を支援する新eラーニングモジュールを公開

    6月13日、IFRS財団は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が策定した基準の理解と導入を…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る