ミュンヘン再保険、新規石油・ガスプロジェクトに対する投資および保険カバーを終了

 

10月7日、欧州最大級の保険会社であり、世界最大の再保険会社であるミュンヘン再保険は、同社の脱炭素化目標を支える一連の新ガイドラインの一環として、今後、新たな石油・ガスプロジェクトに対する保険カバーや投資の提供を行わないことを発表した。

新ガイドラインは、2020年に発表されたミュンヘン再保険の「Ambition 2025」戦略に基づいている。本戦略では、会社の成長目標と収益目標に加えて、保険、再保険、投資活動の脱炭素化、2050年のネット・ゼロエミッション達成に向けた枠組みを定めている。「Ambition 2025」の気候関連の目標には、ミュンヘン再保険の投資ポートフォリオの温室効果ガス(GHG)排出量を2025年までに25~29%削減することや、保険事業における石炭関連のエクスポージャーを35%削減することなどが含まれている。

ミュンヘン再保険の新しいガイドラインでは、2023年4月以降、2022年末までに生産が開始されていない新しい油田・ガス田、新しい石油中流インフラ、新しい石油火力発電所の計画、融資、建設、運営のみを対象とする契約やプロジェクトへの投資や保険の提供を行わないことを約束している。

さらに、ミュンヘン再保険は、流動的な株式および企業ポートフォリオにおいて、2023年4月以降、純粋な石油・ガス企業への新規直接投資を行わないことを約束し、2025年1月までに、排出量の多い上場石油・ガス企業に対して、信頼できる2050年のネット・ゼロの約束を要求する予定だ。

【参照ページ】
(参考記事)Global Briefing: Munich Re to end insurance cover for new oil and gas fields

関連記事

おすすめ記事

  1. 【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    2025-9-11

    【最新】TISFDとは?概要・指標から国内外基準との関連まで徹底解説

    気候変動や自然資本など、環境領域に関する開示が進みつつある中、次なるテーマは「社会」の領域。TIS…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…

ピックアップ記事

  1. 2025-11-6

    CDPとTNFD、2025年質問票の対応マッピングを公開

    10月22日、CDPとTNFDは、CDP 2025年版企業質問票とTNFD開示推奨項目・指標との対…
  2. 2025-11-6

    ISSB、国際的なサステナビリティ開示の「グローバル・パスポート」構想を発表

    10月30日、ISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、ロンドンで開催された「IFRSサステナ…
  3. TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    2025-11-5

    TNFD・自然移行計画の5つの構成要素と先行事例/実践例の紹介

    ※2025年11月4日公開済みの記事にTNFDが発行した「Nature in transition…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る