8月30日、カーディナル・ヘルスは、米国の病院における持続可能性を推進するため、医療機器の再処理プログラムをさらに強化する取り組みを発表した。米国の病院が持続可能性を高めるために、医療機器の再処理に注力している。これは、経費節減、廃棄物削減、温室効果ガス排出の低減、そしてサプライチェーンの強化を目指す長期戦略の一環である。カーディナル・ヘルスのサステナブル・テクノロジーズ(Sustainable Technologies™)事業は、このニーズに応えるべく、シングルユースデバイス(SUD)の回収と再処理を行うサービスを提供している。
医療機器再処理業者協会(Association of Medical Device Reprocessors)の報告書によれば、2021年に米国の病院と手術センターが再処理によって4億1,200万ドル以上を節約したとされている。サステナブル・テクノロジーズのグローバル・ポートフォリオ・ディレクターであるメグ・マクラナハン氏は、「患者の安全を最優先しながら、シングルユース機器の再処理プログラムを活用することで、医療機器の寿命を延ばし、循環経済に貢献することができます」と述べている。
医療セクターは、廃棄物の主要な生産者であり、予測では2050年までに世界の温室効果ガス排出量が年間6ギガトンに達する可能性があると言われている。そのため、医療業界では、再処理を含む循環経済ソリューションの採用が急速に進んでいる。
心房細動(AFib)や電気生理学(EP)の処置は、患者診断の増加と新技術の進展により急成長している。これに伴い、再処理された医療機器の使用が、患者の安全性を維持しながら手技のコストを大幅に削減できることが証明されている。例えば、心房細動の治療で使用される再処理デバイスは、手技コストを約30%(3,000ドル以上)削減することが可能である。
カーディナル・ヘルスは、循環器機器の再処理分野でのリーダーであるイノベーティブ・ヘルス(Innovative Health)と提携し、再処理プログラムを強化している。これにより、医療機関はコスト削減だけでなく、持続可能な医療提供モデルの確立に向けた一歩を踏み出している。
持続可能な医療を追求するため、医療機器の再処理は重要な戦略となっている。カーディナル・ヘルスの取り組みは、病院がコストを削減しながら環境への影響を最小限に抑えるための道筋を示している。さらに、イノベーティブ・ヘルスとのパートナーシップは、より多くの病院が医療機器の再処理を取り入れ、環境と経済の両面で持続可能なソリューションを提供する一助となるだろう。
今後、持続可能な技術の導入と再処理プログラムの拡大により、米国の医療セクターはさらなる環境フットプリントの削減と費用効果の向上を目指すことが期待される。カーディナル・ヘルスとイノベーティブ・ヘルスは、この取り組みを支援する信頼できるパートナーとして、業界の持続可能な未来に貢献していくだろう。
【参照ページ】
(原文)Driving sustainability for U.S. hospitals
(日本語参考訳)米国の病院の持続可能性を推進