8月5日、アパレル技術企業のThe LYCRA Companyは、SBTi(Science Based Targetsイニシアティブ)から、科学的根拠に基づいた短期的な排出削減目標が承認されたことを発表した。
SBTiは、同社のScope 1およびScope 2のGHG削減目標が、パリ協定が推奨する1.5度の気温上昇抑制軌道に合致していると認定した。同社は、2021年を基準年として、2030年までにScope 1およびScope 2のGHG排出量を50%削減することを約束している。また、同じ期間内に、購入された商品およびサービスに関連するScope 3のGHG排出量も25%削減するという計画を設定した。
同社はScope 1の排出削減に向けて、生産拠点でのエネルギー源を環境への負担が低いものに転換している。すでに、北アイルランドのMaydown拠点では、クリーンエネルギーへの転換が進行中であり、当プロジェクトは2025年の第1四半期までに完了する予定である。
また、EAC(エネルギー属性証明書)を通じて購入電力を再生可能エネルギーに切り替えることで、Scope 2の排出量の削減も行っている。この切り替えは、中国のFoshanと北アイルランドのMaydownの生産拠点で完了しており、今後2年間でさらに2つの拠点が転換される予定である。
また同社は、Scope 3の排出削減に向けて、原材料のサプライヤーと協力し、低影響な原材料への転換を進めている。その一例として、化学製品会社のQoreとの協力により、環境負荷の小さい原料であるQIRAブランドを使用してバイオ由来のThe LYCRA CompanyのLYCRA繊維を大規模に開発・商業化していることが挙げられる。今後数年間で、同社の現行スパンデックスの約30%がバイオ由来のLYCRA繊維に転換される予定である。