ASA、BMWとMGモーターUKの「ゼロエミッション車」表現を不適切と判断

2月7日、英広告基準協議会(ASA)は、BMWとMGモーターUKが掲載した有料グーグル広告の「ゼロエミッション車」という表現に対して不当と判断した。

BMWに関しては、2023年8月16日に掲載した有料グーグル広告が問題となった。同社によると、アドワーズ広告表示のため「Zero Emission Cars」等の用語を購入。そのため、アドワーズの自動キーワード機能によって広告に「Zero Emission Cars」が挿入されていた。自動キーワード機能が有効になっていることに気づかないまま、苦情を受け取って初めてその広告上に「Zero Emission Cars」が表示されていることを発見した。対象となった広告は、BMWのアドワーズによって配信されたインプレッションの0.02%。

MGモーターUKでは、2023年8月16日に掲載した有料グーグル広告に「Find A Dealer – Book A Test Drive. Save £1,000 On Your Next MG HS Plug-in Hybrid, MG ZS or MG5 EV Trophy Long Range Renewed with a modern design, increased range, and even more technology. Zero Emissions」と表現。最後の「Zero Emissions」が争点となった。

ASAは、EVは走行中にはCO2を排出しないが、EV製造や送配電網から電気を供給して充電する一連の過程で排出しており、ゼロエミッションは消費者の誤解を招く可能性が高いと判断した。

ASAは、本事案を経て、広告を現在の形で二度と掲載してはならず、「ゼロ・エミッション」に言及する広告は、EVが走行中のみに関連する主張であることを明確にするよう指示。また、プラグインハイブリッド車の広告については、走行中およびバッテリーを動力源とする場合にのみ適用されることを明確にすべきであり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを動力源とする自動車に関しては、決してこのような広告を出すべきでないとした。

【参照ページ】
ASA Ruling on BMW (UK) Ltd
ASA Ruling on MG Motor UK Ltd

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る