10月6日、環境省は、企業や他団体によって生物多様性の保全が進められている「自然共生サイト」の第1弾認定結果を発表した。これにより、35都道府県全体で122ヶ所が認定され、10月25日に認定証が授与される予定である。
「自然共生サイト」は、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全する「30by30目標」施策の一部である。今回認定された122か所の合計面積は約7.7万ヘクタールに上り、国土の約0.2%を占め、東京23区の面積を超える大規模な領域となる。
認定を受けると、これらのサイトは「OECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)」として国際データベースに登録される。環境省は、2023年中に100ヶ所以上を登録する目標を掲げている。認定は、自主申請に基づき、有識者が評価を行うプロセスを経ている。
OECM(Other Effective Area-based Conservation Measures)は、国連生物多様性条約の「愛知目標」に基づく概念で、2018年の第14回国連生物多様性条約締約国会議(CBD COP14)でその定義が採択された。OECMは、「自然保護地域以外で、生物多様性の保全に肯定的な長期の成果を継続的に達成する方法で統治・管理されている地理的に境界が明確に定められた地域で、生態系の機能とサービス、文化的・精神的・社会経済的な価値を含む。
今回の認定においては、民有林での認定が特に目立つ。その中で、キリンホールディングスの「シャトー・メルシャン 椀子ヴィンヤード」は、農産物を生産する畑として唯一認定された。
環境省の「自然共生サイト」認定は、生物多様性保全に向けた新たな一歩であり、持続可能な未来への貢献が期待される。
【参照ページ】
令和5年度前期「自然共生サイト」認定結果について