サウジアラビアのグリーン水素メガプロジェクト「NEOM」、8400億円超のグリーンローンを確保
5月22日、グリーン水素プロジェクト合弁会社NEOM Green Hydrogen Company(NGHC)は、総投資額(84億ドル約1兆1,619億円)の新製造設備のファイナンスクローズを発表した。本プロジェクトは、23の銀行および金融機関のコンソーシアムから61億ドル(約8,438億円)のノンリコースファイナンスを受け、グリーンローンの枠組みで実施されたプロジェクトファイナンスの中でも過去最大級の規模となっている。
NGHCは、再生可能エネルギー企業のACWA Power、産業ガスメーカーのAir Products、サウジアラビアの開発プロジェクトNEOM社が共同開発した対等な合弁会社で、世界最大のグリーン水素プラントの建設を目指している。2026年の生産開始を目指し、最大4GWの再生可能な風力・太陽光エネルギーを統合し、1日あたり600トンものカーボンフリー水素を生産する予定である。
水素は、よりクリーンなエネルギーへの移行において重要な構成要素のひとつと考えられており、特に、金属製造や大型輸送など、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる解決が困難な、排出量の低減が難しい分野での利用が期待されている。年間約9,000万トンの水素が生産されているが、その大部分は化石燃料を使用して抽出されており、汚染物質やGHGの排出を生み出している。他の材料から水素を取り出すプロセスの電源に再生可能エネルギーを使用するグリーン水素のようなクリーンな水素製造能力の開発には、インフラ、電解、輸送などの分野で大規模な投資が必要となる。
NGHCは、今回の資金調達に加え、Air Productsと67億ドル(約9,268億円)相当のEPC(設計・調達・建設)契約を締結したこと、および同施設で生産されるすべてのグリーンアンモニアについて30年間の独占引取契約をAir Productsと締結したことも発表している。
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(参考記事)Neom Green Hydrogen Energy Company closes $8.4bn in investment deals for plant