ハイデルベルグ・マテリアルズとリンデ、大規模な炭素回収プロジェクトを発表

4月12日、化学世界大手英リンデと独セメント製造ハイデルベルク・マテリアルズは、Capture-to-Use(CAP2U)の名称で合弁会社を設立し、大規模な炭素回収・液化施設を共同で建設・所有・運営する契約を締結したことを発表した。

CO2はセメント製造の副産物であり、世界の炭素排出量の約7%を占めると推定されている。セメント業界における世界初の工業規模のCO2回収・利用(CCU)施設は、2025年にハイデルベルグ・マテリアルのドイツ・レングフルト工場で操業を開始する予定である。

新プラントでは、年間約7万トンのCO2を回収・液化・精製し、得られた液体CO2の大部分は、リンデが化学製品や食品・飲料の最終市場向けの原料として販売する予定である。また、ハイデルベルグ・マテリアルズでは、CO2のリサイクルや再炭酸化の新技術を推進するために、より少ない割合で使用される予定である。

本プロジェクトの実施にあたっては、両社に加え、ドイツ連邦経済・気候変動省(BMWK)の「Decarbonisation of Industry(産業の脱炭素化)」プログラムによる約1,500万ユーロ(約22億円)の資金が提供される。

【参照ページ】
CO₂ as raw material: Heidelberg Materials and Linde build world’s first large-scale CCU facility in a cement plant
Linde and Heidelberg Materials Announce Large-Scale Carbon Capture Project

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-28

    ネイチャーポジティブ経営の重要性が増大・企業に求められる対応とは?(再掲)

    ※2024年3月5日公開済みの記事に「移行計画」「ネイチャーポジティブ宣言」に関する情報を一部更新…
  2. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-8-28

    環境省「ネイチャーポジティブポータル」開設、生物多様性回復へ情報集約

    8月18日、環境省は、生物多様性の保全と回復を目指す「ネイチャーポジティブ」の実現に向け、関連情報…
  2. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  3. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る