12月7日、Siemensは、2022年度の環境・社会・企業統治(ESG)を網羅したサステナビリティレポートの発行に伴い、自社の脱炭素化に向けたより野心的な新目標と、大規模な投資を発表した。またSiemensは、温室効果ガス(GHG)プロトコル報告基準の原則に基づき、最新の将来影響の計算方法に基づいて、2022年に販売する製品およびソリューションによって回避できる顧客排出量を約1億5000万トンを開示した。
Siemensは、環境・社会・ガバナンス(ESG)目標を戦略的フレームワーク「DEGREE」で定義している。Siemensは、脱炭素化、倫理、ガバナンス、資源効率、公正、雇用の6つの行動分野において、厳格で測定可能な指標を用いた全体的なアプローチを行っている。
Siemensは、自らの気候保護への取り組みにおいて、2030年までに自社事業でネット・ゼロを達成し、2019年のベースラインと比較して事業活動におけるCO2排出量を46%削減することを目指して順調に前進している。同社は、二酸化炭素排出量の削減を大幅に加速することを目指しており、そのために、2025年度末までに自社事業における物理的な二酸化炭素排出量を2019年比で55%削減するという中間目標を設定している。また、Siemensは、2030年までに物理的なCO2削減目標を2019年比で50パーセントから90パーセントに引き上げるとしている。本目標を達成するため、Siemensは2030年までに6億5,000万ユーロ(約940億円)を投資し、特に自社技術の力によって自社の脱炭素化を進めていく予定である。Siemensは、SBTi(Science Based Targets initiative)に取り組むことで、パリ気候協定の目標を支持し、気候変動を摂氏1.5度に抑制するために積極的に貢献している。また、2022年度に埋立廃棄物を12%削減し、廃棄物全体に占めるマテリアルリサイクルの割合を84%に高めるなど、資源効率を大きく向上させた。
さらに、Siemensは社員に投資し、生涯学習、公平性、幸福の実現に取り組んでいる。2022年度には、Siemens社員一人一人が平均約21時間のデジタル学習を完了し、これは2020年の基準値より約14時間多くなっている。こうした取り組みの一環として、Siemensは2022年度に2億8,000万ユーロ(約405億円)を専門職研修と継続教育に投資した。継続教育の大きな重要性を認識し、長期的な雇用可能性をサポートするため、2025年度末までに、年間のデジタル学習提供の利用目標を25デジタル学習時間に引き上げるとしている。
Siemensは、産業、インフラ、交通、ヘルスケアなど、経済の屋台骨を支えるお客様において、自社の技術や製品を適用することで、環境保護や脱炭素化の分野に大きなインパクトを与えている。
2022年度もSiemensは、革新的な技術ポートフォリオを活用し、世界中の多くの主要産業のお客様やパートナーのCO2排出量の大幅な削減を支援した。その結果、2022年度にSiemensがお客さまに販売した製品とソリューションは、その生涯を通じて約1億5千万トンの温室効果ガス排出を回避することになります。これは、原材料の採取から工場のゲートまでの製造工程(Scope1、Scope2、Scope3 upstream)で発生する約1200万トンの温室効果ガスの13倍に相当する量である。Siemensは、1会計年度に販売したすべての製品およびソリューションがその使用段階全体で回避した顧客排出量を計算するために、下流のScope 3排出量に関するGHG Protocol Reporting Standardに基づく最新の方法論を導入している。この方法論に基づき計算すると、Siemensは2021年度の顧客におけるCO2削減量を、比較可能な方法論を用いた場合の138百万トンから150百万トンに加速させる。
【参照ページ】
(原文)Siemens increases and accelerates sustainability targets and investments
(日本語参考訳)Siemens、サステナビリティの目標と投資を拡大・加速