ニューヨーク州、2030年までに10GWの分散型太陽光発電を実現する枠組みを承認

4月14日、ニューヨーク州は、2030年までに少なくとも10GWの分散型太陽光発電を実現するための、新しい枠組みを承認した。

採択された枠組みは、成功したNY-Sunプログラムを拡張し、過去10年間に見られたプロジェクトコストとインセンティブの著しい削減を継続するために、料金支払者が出資するインセンティブへの15億ドル(約2,000億円)の投資を含んでいる。この公共投資により、受注したプロジェクトの実現に向けた民間投資が約44億ドル(約6,000億円)、2020年代半ばから後半にかけての投資額が合計59億ドル(約7,500億円)になると予想される。また、1~5MWの太陽光発電プロジェクトに州初の一般賃金要件を適用し、州全体で6,000人の太陽光発電関連の雇用が創出される予定。

プログラムの拡大により、投資による利益の少なくとも35%(目標40%)を、不利な立場にあるコミュニティや低・中所得のニューヨーカーに提供する。本発表は、2030年までに州内の電力の70%を再生可能エネルギーで賄うという、気候変動対策推進法(Climate Leadership and Community Protection Act: Climate Act)の義務付けを支持するもので、クリーンエネルギー経済への弾力的かつ公平な移行の一端となる。

以下、今回承認されたロードマップの内容である。

  • 年間70万世帯分のクリーンで再生可能なエネルギーを供給する。
  • 少なくとも1,600MW(28万世帯の電力に相当)の太陽光発電設備を新設し、恵まれない地域や低・中所得のニューヨーカーに恩恵を与え、これらの地域に対する投資額を推定6億ドルにする。
  • 少なくとも450MW(約79,000世帯分)をコン・エジソン社の電気供給地域(ニューヨーク市とウエストチェスターの一部をカバー)に建設し、この地域の太陽光発電設備を1GW以上(約175,000世帯分)に増加させる。
  • ロングアイランド電力公社を通じて、少なくとも560MW(98,000世帯の電力に相当)の太陽光発電を推進する。
  • NY Sunが支援する1MW以上のプロジェクトの建設に携わる労働者に、適用される一般賃金を支払う。

以上のような、ニューヨーク州の太陽光発電の目標を拡大することによる、ニューヨーク州の顧客の電気料金への影響は1%未満、つまり平均的な住宅で月約0.71ドルの影響になると予想されている。

【参照ページ】
(原文)Governor Hochul Announces Approval of New Framework to Achieve At Least Ten Gigawatts of Distributed Solar by 2030
(日本語訳)Hochul知事は、2030年までに少なくとも10ギガワットの分散型太陽光発電を達成するための新しいフレームワークの承認を発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  3. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る