JACSES・気候ネットワークを始めとする環境NGO5団体は2月25日、既設石炭火力へのアンモニア・水素混焼導入支援を可能とする日本政府の解釈に抗議し、海外の既設石炭火力へのアンモニア・水素混焼導入支援を行わないよう要請すると発表した。
2021年12月23日に開催された第77回財務省NGO定期協議において、OECD輸出信用アレンジメントに関する財務省の担当者は「CO2の排出削減対策のための支援は可能」との見解を示した。
しかし今回の要請で、既設石炭火力発電所へのアンモニア・水素混焼の導入支援を可能とする日本政府の解釈は誤りであると指摘。既設発電所への支援(OECD輸出信用アレンジメントのパラグラフパラグラフ6のbに規定)におけるCO2削減対策技術はCCUS(炭素回収・利用・貯留)に限定されており、現段階においてはアンモニア・水素の石炭火力への混焼は支援対象外となっているとした。
NGO5団体はCO2を回収する方策として見込まれているCCS/CCUSが2030年までに商業的に実用化する見込みは非常に薄いことから、アンモニア・水素混焼は持続可能な解決策とはならず、削減効果も限定的と述べている。
【参照ページ】NGO共同声明「日本政府は海外石炭火力支援に関するOECDルールの解釈を見直すべき~アンモニア混焼等は支援対象外~」を発表