今や取得が当たり前?サステナビリティに関する主な認証ラベル・制度:Part1

こんにちは!ESG Journal Japan編集部です!

サステナブルな事業やESG・SDGsを推進するにあたって、自社のサステナビリティをいかに客観的に測定し評価していくか、という点が今非常に大事になってきています。その一つの方法として、サステナビリティやエシカルに関する認証ラベルの取得があります。

しかし、認証ラベルといっても様々なものがあり、何を取得すれば良いのか、そもそも取得するメリットが何かをよく分かっていない人も多いのではないでしょうか。

今回は環境・社会などそれぞれの領域で適用されている主なサステナビリティ認証ラベル・制度を紹介します。各認証の概要や取得するメリット、取得方法や主な取得企業についてPart1、2に分けてまとめたので是非ご覧ください。

認証ラベルの種類と定義

①環境ラベル

現在世界には450以上もの認証ラベルがあると言われています。ISO(国際標準化機構)では、環境ラベルをタイプI「第三者認定によるもの」、タイプII「自己宣言によるもの」、タイプIII「製品の環境負荷の定量的データを表示するもの」の3つに分けて規格を制定しています。 環境省_環境ラベル等の紹介ページ_ISOの環境ラベルに関する規格 www.env.go.jp

②その他の包括的なラベル・認証制度

上記の環境ラベルに加えて、社会的にも配慮した商品やサービスに付与される包括的なラベルや認証制度もあります。後述する国際フェアトレード認証ラベルや、公益のための事業を行っている企業に発行される民間認証制度のBCorpなどが挙げられます。

以降の章では①における主な環境ラベルを中心に取り上げます。

FSC(Forest Stewardship Council) 認証:森林

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FSCの森林認証制度は、世界中から参加する環境保全団体、先住民族や労働者の権利に取り組む団体、生産者や利用の立場にある民間企業など、環境・社会・経済の各分野のステークホルダーの議論と合意によって運営され、また責任ある森林管理のための10の原則と70の基準を定めています。

FSC認証はFSCから直接発行されるものではありません。FSC認証サービスは、認定を受けた独立した第三者認証機関から提供されます。国内における認証機関はアミタ株式会社、ビューローベリタスジャパン、コントロールユニオンジャパン、インターテックサーティフィケーション、一般財団法人日本ガス機器検査協会、SGSジャパンです。

取得方法としては、まず1段階目として認証機関へ問い合わせ、費用及び時間の見積もりをもらう必要があります。認証審査にかかる手間や費用は事業規模、複雑さ、リスクなどにより変化するため、問い合わせの際に認証を予定している事業範囲について基本的な情報を提供する必要があります。

2段階目に、認証機関を決定する必要があります。認証機関を決定し、FSC認証取得に当たっての条件や手順などの説明を受けた後、認証機関と契約を取り交わします。

3段階目に、認証機関による審査です。認証機関によって派遣された審査員によって、FSC認証規格に適合しているか審査されます。審査では事務所、工場、倉庫等への訪問や主な担当者の理解度を確認するためのインタビューが行われます

4段階目に認証機関による認証判断があります。審査員がまとめた認証審査報告書に基づき、FSC規格の要求事項が満たされていると判断されれば認証機関が認証発行を決めますが、重大な不順守があるとされた場合は、改善されるまで認証は発行されません。この場合、認証発行までに是正措置を行い、認証機関が改善を確認する必要があります。

ここまでのプロセスが適切に行われれば、FSC認証取得となり、認証機関によって5年間有効な認証書が発行され、FSC商標を使用できます。また認証を維持するためには、毎年一回認証機関による年次監査を受ける必要があります。年次監査ではFSC認証基準を継続的に順守しているかを認証機関が確認します。

国内において、FSC認証を受けた日本企業はデータベースから検索可能です。

ISCC(国際持続可能性カーボン)認証:バイオマス

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ISCC(International Sustainability & Carbon Certification)=国際持続可能性カーボン認証 は、バイオマスならびにバイオエネルギーの認証制度としては世界初の専用プログラムです。ISCC PLUS 認証は、マスバランス方式(※1)で製造されたバイオマス原料や再生原料等の製品をサプライチェーン上で管理・担保する認証制度です。

※バイオマス由来等の持続可能な材料と、石油由来等の非持続可能な材料が含まれている製品の管理・計算方式のこと。主に複雑な生産工程を持つサプライチェーンのバイオマス化推進のため活用されている。

グローバルな認証制度であるISCCコンセプトは、試験段階で全面的に開発・検証が行われ、欧州ならびにドイツ当局により承認されています。 経験に基づいて開発された、効率的かつ効果的なコンセプトであり、社会持続性の問題もカバーしています。
すべてのバイオマスに適用されるISCC は、温室効果ガス(GHG)の低減、持続可能な土地の使用、天然の生物圏の保護、社会持続性の向上などの責任を示すようサポートを行なっています。このほか、ISCCは食品、飼料、技術的/化学的応用、さらに他のバイオエネルギーの応用にまで持続性認証を拡大するオプションを提供しています。

現在、ISCCの認証数は年ごとに増加しており、バイオエコノミー、サーキュラーエコノミー、特に食品、飼料、エネルギー、工業用途など、世界のあらゆる場所で適用可能です。特にISCC PLUSは、EU域外で使用される食品、飼料、化学品、工業用途(例:プラスチックや包装材)、あらゆる種類のバイオマス、廃棄物、残渣、非生物的再生可能エネルギー、リサイクルカーボン素材を認証することが可能となっています。

ISCC認証を取得するには、SGSなどの機関から第三者認証を得る必要があります。SGSはスイスジュネーブに本拠を置き、全世界2600拠点のオフィス・ラボと89,000人を超える社員を擁する世界最大の認証機関のことで、ISCC認証の認証審査なども行なっています。

日本では、三井化学グループ、長瀬産業株式会社などが取得しています。

MSC認証:漁業

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MSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)の厳格な規格に適合した漁業で獲られた持続可能な水産物にのみ認められる証、それがMSCラベル、通称「海のエコラベル」です。

認証取得を希望する漁業者は、審査機関による任意の予備審査を受け、その結果に基づき、本審査に進むどうかを選ぶことができます。この過程は非公開で行われ、申請者が自ら公開しない限り、第三者に知られることはありません。
本審査では、申請者が該当する漁業についての資料などを提示し、MSC漁業認証規格を満たしているかどうかが独立した第三者審査機関によって審査されます。これをクリアするとMSC漁業認証が取得できます。漁業の規模、魚種・漁法、国・海域等を問わず、認証取得を望むすべての漁業は認証審査の
申請が可能です。

MSC認証を取得している日本企業は、北海道漁業協同組合連合会、明豊漁業株式会社、石原水産株式会社、マルト水産株式会社、株式会社臼福本店が挙げられます。

RMS認証:再生材

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RMSは、再生材認証の分野での初の試みです。 市場には再生材の認証に関するいくつかの規格がありますが、RMSは、平均再生材含有量とマスバランス配分の両方の主張を提供する初めての規格であり、また、最も必要とされる場所、すなわちリサイクル業者に投資を誘導する認証取引システムでもあります。これにより、利用可能なリサイクル材の供給と品質を向上させるための投資を行うことができます。

RMSは、メカニカルリサイクルとケミカルリサイクルの両方のシステムにおいて、再生材の使用状況を追跡するための独自の柔軟性を備えています。 さらに、再生可能エネルギー証書(REC)と同様に機能するリサイクルコンテンツ属性(ARC)証書を購入・取引することで、企業はリサイクルシステムに直接投資することができます。 認定を受けたリサイクル業者は、すぐにARCを生成することができるため、ブランドはクレジットを購入して使用することができ、必要とされるリサイクル素材の供給を拡大することができます。

2021年11月に認証取得申請がスタートしたばかりなので、今後国内外で取得企業が多数出るとみられています。

RMS(Recycled Material Standard)認証取得申請がスタート

Part2では先日上場した米Allbirdsが取得していることで話題となったB Corp認証や、温室効果ガス排出削減目標に関するSBTi認証などより幅広いサステナビリティ認証制度を紹介していますので以下リンクよりご覧ください!

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