IOC、COP26を見据え2030年までの温室効果ガス50%削減を発表

10月24日、国際オリンピック委員会(IOC)は、気候変動問題への取り組みの一環として、2030年までに直接・間接の温室効果ガスを50%削減することを発表した。

これは、ギリシャで開催中の国内オリンピック委員会連合(ANOC)の総会において、トーマス・バッハIOC会長が発表したもので、10月末に英国グラスゴーで開催される国連気候サミット(COP26)を前にしたものである。今回の決定により、IOCは、気候変動に関するパリ協定に沿って、同期間に45%の削減を設定していた前回の公約から野心度を高めた。

2030年までに50%の削減を達成するために、IOCは2024年までに30%の削減を達成するという中間目標を設定した。この約束を実現するための行動計画は、旅行、エネルギー使用、調達の分野での排出量削減に向けた取り組みを強化するために更新される。

今回のIOCの発表は、気候変動の評価に関する主要な国際機関であるIPCCによる第6次評価報告書の発表を受けたものである。IPCC報告書の最新データに基づき、この枠組みに署名したすべての団体は、地球の気温上昇を1.5℃に抑えるために、2030年までに排出量を50%削減することが求められる。


IOCによると、今後開催されるすべてのオリンピック大会は、カーボンニュートラルを約束しており、2024年のパリ大会では、2030年の期限までに気候変動に対応した最初の大会となることを目指しているという。

【参照ページ】
(原文)IOC leading the way on climate change – commits to cutting its greenhouse gas emissions by 50 percent by 2030
(日本語訳)IOC、2030年までに温室効果ガスを50%削減することを発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-3

    英・豪銀行連合、中小企業のスコープ3把握支援で新会社 50兆ドル市場開拓へ

    6月24日、英ナットウエスト・グループ、豪州ナショナル銀行(NAB)、英スタンダードチャータード傘…
  2. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  3. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…

““登録02へのリンク"

ページ上部へ戻る