欧州理事会と欧州議会、データガバナンス法に暫定合意

11月30日、欧州理事会と欧州議会の交渉担当者はデータの利用可能性を促進し、研究や革新的な新サービス・製品の創出のためのデータ利用を促進する信頼できる環境を構築するためのデータガバナンス法(DGA)について、暫定的な合意に達した。

DGAは、保護されている特定のカテゴリーの公共部門のデータの再利用を促進し、データ仲介サービスに対する信頼性を高め、EU全体でデータ利他主義を育成するための強固なメカニズムを構築するものである。これは、データ経済を強化し、富と幸福を増大させ、市民と企業の利益のために欧州に競争上の優位性を与えることを目的とした、データに関する欧州戦略の重要な構成要素である。

DGAは、企業や個人がデータを共有できる安全な環境を提供する新しいビジネスモデル、すなわちデータ仲介サービスを促進する枠組みを構築する。企業の場合、これらのサービスは、企業間の自発的なデータ共有を支援したり、法律で定められたデータ共有義務の履行を促進したりするデジタルプラットフォームの形をとることができる。これらのサービスを利用することで、企業は、データが悪用されたり競争力を失ったりすることを恐れずに、データを共有することができる。

DGAでは、医療研究プロジェクトなどの公益のために、個人や企業が自発的にデータを利用できるようにすることも容易になっている。今回合意された暫定合意は、欧州理事会の承認が必要であるため、今後、理事会の常任代表者委員会(Coreper)に提出し、承認を得ることになる。

【参照ページ】
(原文)Promoting data sharing: presidency reaches deal with Parliament on Data Governance Act
(日本語訳)欧州委員会と欧州議会、データガバナンス法に暫定的合意

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る