11月3日、NET-ZERO BANKING ALLIANCEは加盟銀行が90行を上回ったと発表した。
ネット・ゼロ達成にかかる費用は、今後30年間の累積で約100兆ドルから150兆ドルと推定されており、COP26では、このような規模の資金を動員することが重要な目標の一つとなっている。
本目標は、世界のネット・ゼロを確保するために必要な数兆ドル規模の民間および公共部門の資金を解放することで、1.5℃の達成を目指している。
NET-ZERO BANKING ALLIANCE を通じて、銀行セクターの迅速かつ極めて重要な動員がすでに進行中であり、世界の銀行資産の43%以上に相当する66兆ドル規模の92行が一丸となって、ネット・ゼロの未来に向けてコミットしている。この中には、欧州の資産規模上位10行、北米の上位10行、ラテンアメリカ・カリブ地域の上位10行のうち6行が含まれる。アジア太平洋地域では10大銀行のうち3行、中東・アフリカ地域では10大銀行のうち2行がコミットしており、39カ国に本部を置くメンバー銀行が参加している。
銀行は、世界経済の脱炭素化を実現するための重要な役割を担っている。融資や投資の決定を通じて、銀行は顧客に同行し、移行の加速を促すことができる。本アライアンスは、エネルギー、農業、輸送、不動産、原材料の生産など、産業やセクター全体の脱炭素化を、科学的根拠に基づいて、透明性、信頼性、一貫性のある方法で推進することを約束した銀行のグローバルなリーダーシップコミュニティである。
本アライアンスの中核となるのがコミットメント・ステートメントであり、銀行の脱炭素化計画を強化、加速、支援するために、科学的根拠に基づく強固で野心的な枠組みを提供している。アライアンスのコミットメントに署名することで、銀行は、いくつかの気候シナリオを用いて、気温1.5℃を目標にすることに同意する。また銀行は、炭素集約的で排出量の多いセクターを優先し、署名後18ヶ月以内に2030年と2050年の初期目標を設定する。
本コミットメントに参加する銀行は、完全な透明性と説明責任を果たす必要がある。目標設定以降、加盟国は12ヵ月以内にその目標に対する報告をしなければならず、公開された報告書には絶対的な排出量と排出強度の両方が記載される。また、同じ期間内に、加盟国は目標達成のために予想される行動の概要とおおよそのスケジュールを示したハイレベル移行計画を発表する。
日本からは今回みずほFGと野村HGが加盟した。日本企業の加盟銀行は三菱UFJFG、三井住友FG、三井住友トラストHDと合わせて5社となった。
【参考記事】三井住友トラストHD、カーボンニュートラル宣言とNet Zero Banking Allianceへの加盟を発表
【参照ページ】
(原文)NET-ZERO BANKING ALLIANCE REACHES MILESTONE WITH OVER 90 BANKS COMMITTED
(日本語訳)ネット・ゼロ・バンキング・アライアンス、90行以上が参加して節目を迎える