WHO、複数国におけるサル痘の発生を受け緊急事態宣言

7月23日、WHO事務局長は、委員会メンバーおよびアドバイザーの見解と、国際保健規則に沿った他の要因を考慮し、サル痘の複数国での発生が国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態を構成していると判断した。

WHO事務局によると、2022年1月1日から2022年7月20日の間に、WHOの全6地域の72カ国から14,533例の確診例および検査室確定例(ナイジェリアでの3名の死亡例と中央アフリカ共和国での2名の死亡例を含む)がWHOに報告され、2022年5月初めの47カ国での3,040例から増加した。

これまでサル痘の症例が報告されていなかった多くの国で感染が発生しており、現在、WHOヨーロッパ地域とアメリカ地域の国から最も多くの症例が報告されている。

現在報告されているサル痘の症例の大半は男性で、これらの症例のほとんどは、ゲイやバイセクシャルなど男性とセックスする男性(MSM)と自認する男性の間で、都市部において発生しており、社会的・性的ネットワークに集積している。ただし、西アフリカおよび中央アフリカの国々では異なる経路での感染拡大が確認され、患者の中には女性や子供も多く含まれている。

アフリカ以外の地域で発生したサル痘の臨床症状は、過去の集団発生で報告された事例とは異なる自己限定性疾患であるとされている。 一般に、性器、会陰・肛門周囲、口腔周囲に限局した発疹病変で、それ以上広がらないことが多い。

報告された症例の平均潜伏期間は7.6〜9.2日、平均連続間隔は9.8日と推定されている。

事務局は、サル痘の患者数や発生国は増加しているように見えるが、WHOのリスク評価は2022年6月23日の第1回委員会以降変わっておらず、リスクは世界レベル、および「高」とされる欧州地域を除くWHO6地域すべてで「中」と考えられていることを指摘した。

【参照ページ】
複数国におけるサル痘の発生に関しての国際保健規則(IHR2005)第2回緊急委員会会合の報告

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. 2024-4-18

    オーストラリア裁判所、グリーンウォッシュ訴訟でバンガードに有罪判決

    3月28日、オーストラリアの連邦裁判所は、バンガード・インベストメンツ・オーストラリアが、同社のE…
  2. 上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    2024-4-15

    上場企業の40%以上がスコープ3排出量の報告を開始

    4月に発表した、投資データ・リサーチプロバイダーであるMSCIの新しいレポートによると、世界の上場…
  3. SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    2024-4-15

    SBTi、ネット・ゼロ目標における炭素クレジットの役割拡大を認める

    4月9日、科学的根拠に基づく目標設定イニシアティブ(SBTi)は、企業の環境持続可能な行動を気候変…

アーカイブ

ページ上部へ戻る