COP26 Day 1-2 ハイライト – 先進国の気候変動ファイナンス加速や各国・企業のコミットメント相次ぐ
スコットランドのグラスゴーで開催されたCOP26は、COVID-19の影響で1年遅れで開催され、国や企業、金融機関のリーダーたちが集まり、約2週間にわたるサミットがスタートした。
Day1〜2に行われた主な発表やコミットメントは以下の通り。
米国、2050年の目標達成に向けた長期戦略を発表
バイデン大統領は、2050年の温室効果ガス排出量ネットゼロ目標達成に向けた米国の戦略を詳述した新文書「Pathways to Net-Zero Greenhouse Gas Emissions by 2050」の発表を行った。この戦略では、ネット・ゼロを達成するために必要な5つの変革、①電力の脱炭素化、②自動車・ビル・産業の電化と電化が困難な場合のクリーン燃料への切り替え、③エネルギー廃棄物の削減、④メタンなどの非CO2排出量の削減、⑤CO2除去量の拡大について詳述している。この戦略では、炭素を排出しない電力システムへの移行を迅速に進めることや、2030年に販売される自動車の半分をゼロエミッション車にすることなど、この10年間の活動に大きな重点が置かれている。
気候変動ファイナンス
欧州のリーダーたちは、開発途上国に年間1,000億ドル(約11.3兆円)の気候変動資金を動員するという公約を達成するために、先進国のリーダーたちに協力を求めている。当初は2020年を目標としていたが、現在では2023年頃の達成の可能性が高くなっている。カナダとドイツは、気候変動資金を軌道に乗せるための計画を実行する任務を負っている。今回の会議では、米国、ドイツ、カナダ、日本を含むいくつかの国が気候変動対策資金の拠出を拡大することを約束し、月曜日にはスペインが2025年までに気候変動対策資金を50%倍増させることを約束した。英国は、持続可能なインフラへの官民の投資を世界的に拡大するため、新たに「グリーン・クリーン・イニシアチブ」を立ち上げ、今後5年間で途上国のグリーン成長のために30億ポンド(約4,700億円)以上の気候変動対策資金を提供することを約束した。日本は25年までの5年間の支援額を600億ドル(約6.8兆円)から最大100億ドル(約1.1兆円)積み増す用意があると明らかにしている。
各国のコミットメント
ブラジルは、2030年までに温室効果ガスの排出量を半減し、2050年までにカーボンニュートラルを目指し、2028年までに違法な森林伐採を停止することを約束した。インドは、2070年までにネット・ゼロを達成し、2030年までに炭素集約度を45%削減することを約束した。
企業のコミットメント
COP26では、プルデンシャル・ファイナンシャル社(2050年)、モデナ社(2030年)、モンデリーズ社(2050年)、エクセル・エナジー社(2050年)など、複数の企業が新たな気候変動対策を発表した。
【参考記事】Mondelēz、2050年までにバリューチェーン全体でのネットゼロを目指す
ESG Journal JapanではCOP26特集を以下記事でもまとめていますので、お時間ある方は是非ご覧ください。
【参考記事】
5分で分かるCOP26:前半ハイライト(10/31〜11/4)
5分で分かるCOP26:開幕時点での抑えるべきポイントを解説