10月20日、トランジション・パスウェイ・イニシアティブ(TPI)は、投資家に新しいリソースを提供することを目的とした「TPI Global Climate Transition Centre」の立ち上げ計画を発表した。今後世界の数千社の企業のネット・ゼロ・アライメントに関する詳細なデータを提供する。
2017年に設立されたTPIは、アセットオーナーが主導し、アセットマネージャーが支援する世界的なイニシアティブで、低炭素経済への移行に向けた企業の準備状況を評価し、気候変動への取り組みを支援している。TPIは、投資家が自らのポートフォリオとパリ協定の目標との整合性を評価し、現実の排出削減を推進することを可能にする独立したリサーチを提供している。
新センターの設立計画に伴い、投資大手のブラックロックはTPIのサポーターとして参加することを発表した。ブラックロックが加わったことで、TPIのサポーターには110以上のファンドが含まれ、その運用・助言資産は40兆ドルに達する。
新センターは、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス&ポリティカル・サイエンスのグランサム研究所(気候変動と環境に関する研究所)に設置される。2022年初頭に予定されている本センターの設立により、TPIの独立した企業評価は現在の400社から10,000社へと大幅に増加し、企業やソブリン債の発行者も精査することになる。
TPIによると、このセンターは、投資家がポートフォリオをネット・ゼロ・ターゲットに合わせることをサポートし、Climate Action 100+などのエンゲージメント・イニシアチブに参加し、最も炭素集約度の高い企業の詳細な分析を行うことを目的としている。
TPIは、世界気候変動センターが、主要な資産家、ファンドマネージャー、London School of Economics and Political Science、London Stock Exchange Group (LSEG)から直接支援を受けていると述べている。
【参照ページ】
(原文)Net-Zero Tool Backed by BlackRock Gives ‘Big Nudge’ on Climate
(日本語訳)BlackRock、投資家向け気候変動データセンターの開設を計画するTPIを支援