
7月15日、米IT大手グーグルと米資産運用大手ブルックフィールドは米国で最大3000MWのクリーンな水力発電電力を供給する包括的な枠組み契約を締結したと発表した。水力発電の法人向け購入契約としては世界最大規模となる。グーグルは自社のデータセンターなどを24時間365日、カーボンフリーエネルギーで稼働させる目標の達成を目指す。
契約の第一弾として、両社はペンシルベニア州にあるホルトウッド水力発電所とセーフハーバー水力発電所の電力に関する20年間の電力購入契約(PPA)を締結した。契約規模は発電容量670MW、総額30億ドル(約4800億円)超に上る。
本契約に基づき、ブルックフィールドは既存の水力発電所の再認可や改修、アップグレードを行い、発電能力を増強・維持する。グーグルはその電力を購入する権利を得る。まずは大西洋岸中部(PJM)と中西部(MISO)の電力市場に注力し、将来的には米国内の他地域にも拡大する可能性がある。
今回の提携は、デジタル化や人工知能(AI)の普及で電力需要が急増するハイテク業界に対し、ブルックフィールドが安定したクリーンエネルギーを供給する戦略の一環だ。
グーグルのデータセンター・エネルギー部門責任者、アマンダ・ピーターソン・コリオは「この提携は、我々が事業を展開するPJM地域でのクリーンエネルギー供給を確実にするための重要な一歩だ。水力発電は信頼性が高く、国内で雇用を創出する実績ある技術だ」とコメントした。
ブルックフィールド・アセット・マネジメントのコナー・テスキーは「今回の提携は、水力発電が大規模データセンター事業者のエネルギー目標達成に重要な役割を果たせることを示している」と述べ、AI時代における電力供給の重要性を強調した。
(原文)Brookfield and Google Sign Hydro Framework Agreement to Deliver up to 3,000 MW of Homegrown Energy in the United States
(日本語参考訳)ブルックフィールドとグーグル、米国で最大3,000MWの自家発電エネルギーを供給する水力枠組み契約を締結