ミュンヘン再保険、気候関連国際イニシアチブから脱退 独自の気候戦略へ移行

6月6日、ミュンヘン再保険(Munich Re)は、NZADA(Net Zero Asset Owner Alliance)、NZAM(ネット・ゼロ・アセット・マネージャー・イニシアティブ)、Climate Action 100+、およびIIGCC(Institutional Investors Group on Climate Change)といった複数の気候関連国際イニシアチブからの脱退を発表した。理由として、各国における法的・規制的枠組みの違いによって、これらの民間イニシアチブの評価に不明瞭さが増しており、結果として規制要件が相反し、法的な不確実性が生じていることを挙げている。

さらに、気候関連の情報開示義務や事務負担が国際企業にとって極めて複雑化しており、異なる規制と多様な会員資格がその要因となっていると指摘。同社は、これらの報告要件が気候保護における実質的な効果に見合わないとし、今後は独自のアプローチで気候目標に取り組む方針を明らかにした。

同社は、外部からの非規制的な報告義務や法的リスクを回避しながら、より焦点を絞った効果的な気候戦略を自らの手で推進できると確信しているという。これにより、パリ協定の目標達成への貢献を継続するとしている。

なお、Munich Reは2025年に向けた中間的な気候目標をすでに達成、もしくは上回っていると強調しており、年末には新たな企業戦略とともに次の気候目標を発表する予定である。気候保護は依然として同社の最優先事項であり、今後も持続可能な事業運営に注力するとしている。

(原文)Munich Re resigns from the Net Zero Asset Owner Alliance, the Net Zero Asset Managers Initiative, Climate Action 100+ and the Institutional Investors Group on Climate Change
(日本語参考訳)ミュンヘン再保険は、ネットゼロ資産所有者同盟、ネットゼロ資産管理者イニシアチブ、気候行動100+、気候変動に関する機関投資家グループから脱退しました。

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-8

    欧州198団体がサステナブルファイナンス規制の骨格維持を要請

    7月1日、欧州持続可能投資フォーラム(Eurosif)を含む198の投資家・企業団体は、EUのサス…
  2. GRI労働関連基準の改訂状況と人的資本開示との対応関係を解説

    2025-7-7

    GRI労働関連基準の改訂状況と人的資本開示との対応関係を解説

    GRI(Global Reporting Initiative:グローバル・レポーティング・イニシ…
  3. 2025-7-7

    ノルウェー政府、2035年に温室効果ガス70〜75%削減目標を提出

    6月26日、ノルウェー政府は、パリ協定の下で2035年に向けた新たな国が決定する貢献(NDC)を国…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る