
5月16日、ブラジルの投資会社パトリア インベスティメントスは、ハイパースケールデータセンタープラットフォーム「オムニア」を立ち上げたと発表した。ラテンアメリカでクラウドコンピューティングと人工知能(AI)の導入が加速する中、最初のプロジェクトに今後18~24カ月で約10億ドル(約1550億円)を投資する計画だ。
同地域、特にブラジルは、豊富な再生可能エネルギーと比較的制約のない成長見通しを背景に、データセンター投資家のハブとして浮上している。これは、飽和状態にある米国や欧州市場とは対照的な状況だ。
パトリアの同地域におけるインフラ投資責任者であるフェリペ・ピント氏は、世界のデータセンター需要は2030年までに倍増以上が見込まれ、ラテンアメリカの容量は今後数年で3倍以上になる可能性があり、最大500億ドルの新規資金が必要になるとの見通しを示している。
パトリアによるオムニアへの投資は、同社のインフラファンドの一つを通じて行われ、主にAIに焦点を当てる。同社は、世界の主要テクノロジー企業のニーズを満たすことを目指す。
パトリアのデジタルインフラ部門運営パートナーで、オムニアのロドリゴ・アブレウ最高経営責任者(CEO)は、「世界のトップテクノロジー企業、つまり10~15社のグローバル企業に対応する大規模プロジェクトの開発に注力する」と述べた。
パトリアは以前、データセンター企業オデータを設立し、2023年に米国のアラインド データ センターズに買収されている。
オムニアはブラジル、メキシコ、チリに焦点を当て、再生可能エネルギー源のみを活用する方針だ。最初のキャンパスはブラジルで建設が予定されており、今年下半期に着工する見込みだが、正確な場所はまだ公表されていない。
アブレウ氏によると、ブラジルは大都市圏に好立地を提供しており、ラテンアメリカの他の地域と同様に、比較的有利な規制環境と地政学的な中立性を誇り、こうした投資にとって魅力的な場所となっているという。
(原文)Brazil’s Patria launches data center platform with initial investment of $1 billion