KKR、独再エネプラットフォームEncavisに対し、4,500億円超の株式公開買付け

KKR、ドイツの再生可能エネルギー・プラットフォームEncavisに対するの約4,605億円株式公開買付けを開始

3月14日、代替資産およびプライベート・エクイティ投資家のKKRは、ドイツの再生可能エネルギー・プラットフォームEncavisの株式価値を28億ユーロ(約4,605億円)とする買収提案を開始すると発表した。

Encavisは、同社の経営委員会と監査役会がこの提案を明確に支持し、株主にその受け入れを推奨すると述べた。ドイツを拠点とする同族会社Viessmann Groupは、KKR主導のコンソーシアムの株主として投資し、Encavisの既存株主であるABACONとその他の株主は、Encavis株式の約18%を売却し、約13%をロールオーバーすることに合意しており、ABACONは同社の間接株主として残る。

ドイツのノイビベルクを拠点とするEncavisは、ヨーロッパ全域で(陸上)風力発電所とソーラーパークを買収・運営しており、10カ国で190カ所以上の太陽光発電所と40カ所以上の陸上風力発電所のポートフォリオに加え、複数年にわたるプロジェクトパイプラインからなる220万kWの稼働能力を有する。

EUの再生可能エネルギー指令は、2021年にはEUのエネルギーミックスの約22%を占めていた再生可能エネルギーが、2030年までにEU全体のエネルギー消費の42.5%を占めることを義務付けている。

両社によると、KKRとViessmannからの資金援助により、Encavisはエネルギー転換におけるドイツのリーディング・プレイヤーとしての地位を確立し、プロジェクト開発パイプラインの強化、生産能力の増強、新市場への進出など、同分野での成長機会を活用できるようになる。

KKRは、12月にスコットランドを拠点とするエネルギー・電化ソリューション企業スマート・メータリング・システムズ(SMS)を17億ドル(約2,557億円)で買収し、最近ではロンドンを拠点とする輸送用電化・蓄電池ソリューション・プロバイダーZenobēに7億5,000万ドル(約1,128億円)を投資し、インドのVirescent Infrastructure、アジアのAster Renewable Energy、長期高利回りの太陽光発電投資を対象とするStellar Renewable Powerなど、一連のクリーンエネルギー・プラットフォームを立ち上げている。

【参照ページ】
(原文)KKR to invest in Encavis AG to accelerate the Company’s long-term growth

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