カナダ証券管理局、気候関連・多様性関連開示プロジェクトを一時停止

4月23日、カナダ証券管理局(CSA)は、気候関連開示の新ルール策定と多様性関連開示要件改正作業を一時停止すると発表した。米国および国際的な動向を受け、カナダ市場と発行体の適応を支援する措置である。

CSA議長のスタン・マギドソン氏は「経済・地政学環境の急変により、カナダ発行体の競争力への懸念が高まっている」と述べ、市場の競争力・効率性・強靭性向上を優先課題とする方針を示した。

既存の証券法では、発行体は重要な気候リスクを他の重要情報と同様に開示する義務がある。カナダサステナビリティ基準委員会(CSSB)は2024年12月、国際サステナビリティ基準理事会(ISSB)と整合する初の基準を公表し、任意開示の枠組みを提示した。

多様性関連では、非ベンチャー発行体に対し、取締役会および執行役員における女性比率の開示が現行ルールに基づき引き続き求められる。CSAは今後も国際動向を注視し、適時要件の見直しを検討する方針である。

(原文)CSA updates market on approach to climate-related and diversity-related disclosure projects
(日本語参考訳)CSAは気候関連および多様性関連の開示プロジェクトへのアプローチについて市場に最新情報を提供します

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