Apave、カーボン会計強化へ向けAktioを買収

3月19日、仏リスクマネジメント大手Apaveグループは、炭素会計と脱炭素戦略に強みを持つフランス企業Aktioの買収を発表した。これによりApaveは、クライアント企業の脱炭素化や気候リスク管理支援をさらに本格化させる。Aktioは2020年設立の急成長企業で、SaaS型カーボンマネジメントツールと気候コンサルティングを組み合わせたハイブリッド型のサービスを展開し、既に500超の組織を支援してきた実績を持つ。

Aktioのプラットフォームは、Bilan Carbone手法に準拠しつつ、SBTiやCSRDなど最新の国際基準にも対応しており、顧客のカーボンフットプリントの計測から、脱炭素計画策定、規制対応、社内研修まで一貫して支援する。今後はApave内の気候・サステナビリティ部門と統合され、新組織「Aktio–Apave」として、グループ内の持続可能性領域を牽引する中核的存在となる。

Apaveは2020年以降、成長戦略の一環として買収を加速させており、Aktioはその26件目となる。新組織は、技術力と実務力に優れたコンサルティング体制と先進的なESGデータ管理ソリューションを併せ持ち、企業がサステナブルな経営を実現するための包括的な支援を提供していく方針だ。

ApaveのCEOフィリップ・マイヤールは「私たちは常に安全と持続可能性を両立させてきた。今回の買収は、あらゆる企業の脱炭素・サステナビリティ実現を支援する体制の加速であり、“より安全で持続可能な世界”というApaveの使命に沿うものだ」と述べた。Aktioの共同創業者らも「この統合により、気候変動対策をあらゆる組織が実行可能にするという我々のビジョンを一層前進させる」と語っている。

(原文)Decarbonisation: the Apave Group announces the acquisition of Aktio thus strengthening its expertise in sustainability and carbon accounting

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