1月7日、機関投資家グループが、Shellに対して株主決議の提出を行い、同社の液化天然ガス(LNG)事業の成長戦略が精査を受けていると発表された。この株主決議では、Shellに対し、LNG成長戦略の前提条件を正当化し、それが同社の気候変動に対するコミットメントとどのように整合するのかを説明するよう求めている。
この決議は、Brunel Pension Partnership、Greater Manchester Pension Fund、Merseyside Pension Fundの3団体によって提出された。これらの団体は合わせて860億ドルの資産を運用している。また、Australasian Centre for Corporate Responsibility(ACCR)が共同提出者として参加し、イギリスの責任投資NGOであるShareActionや100人以上の個人株主もこの提出を支持している。
Shellは、2030年までにLNG事業を20~30%成長させる計画を立てており、LNGは同社の上流部門の炭化水素生産の約3分の1を占めると見込まれている。しかし、投資家は次の点についてより高い透明性を求めている。
- Shellは、他の独立系石油・ガス会社より多くの未契約LNGを抱えており、価格が予測を下回った場合に価値喪失のリスクが大きい。
- 同社のLNG成長戦略は、国際エネルギー機関(IEA)のシナリオを上回る需要を見込んでおり、その需要予測を実証する上で独立機関の分析を誤って解釈している可能性がある。
- シェルのLNG需要見通しは、世界のエネルギー市場の大きな変化を受けても大きく修正されていない。
- 同社のLNGポートフォリオに関連する重要なリスクとその管理方法について、投資家がより深く評価できるよう、追加情報が必要である。
この決議は、2025年5月に予定されているShellの年次総会に提出されている。
【参照ページ】
(原文)Shell’s LNG strategy under scrutiny as institutional investors file shareholder resolution
(日本語参考訳)機関投資家が株主提案を提出、シェルのLNG戦略が精査される