Clarity AI、環境に関するファンドの約半数がEU新規制に違反する可能性があると発表

5月23日、サステナビリティ・テクノロジー・プラットフォームのClarity AIは環境に関する用語を名前に含むEUのファンドの約44%が新しいEUのグリーンウォッシング防止規制に違反する可能性があるとのレポートを発表した。この規制は、European Securities and Markets Authority (ESMA)によるもので、特に環境、社会、ガバナンス(ESG)に関連するファンドに対して厳格な基準を設けている。

ESMAの規制では、ファンド名に「環境」や「サステナビリティ」などの用語を含む場合、ファンドはパリ協定に準拠したベンチマーク(PaB)の排除基準に従う必要がある等の条件を満たす必要性があるとされた。

Clarity AIの分析によれば、新規制に準拠するためには、ファンドマネージャーは投資ポートフォリオを再構成し、必要に応じて化石燃料セクター等、特定のセクターや企業を除外する必要がある。新規性により、投資家はより透明性の高い情報を得ることができ、投資の選択肢をより適切に評価することが可能になる。

今後、ESGおよび持続可能な投資に対する規制はさらに厳格化する可能性がある。投資家の関心が高まる中で、資産運用会社は持続可能性に対する真のコミットメントを示すことが求められる。このため、単なるマーケティングとしての環境用語の使用ではなく、実際の投資内容が規制に適合していることが重要だろう。

【参照ページ】
(原文)Nearly half of the funds with environmental terms in their names may breach new EU regulations
(日本語参考訳)名前に環境用語を含むファンドのほぼ半数がEUの新たな規制に違反する可能性がある

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…
  3. 2025-9-12

    カリフォルニア州、気候関連財務リスク報告の指針を公表

    9月2日、カリフォルニア大気資源局(CARB)は「気候関連財務リスク開示ドラフト・チェックリスト」…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る