IOSCO、成長市場向けISSB基準導入支援ネットワークを設立

12月18日、国際証券監督者機構(IOSCO)は、IFRSサステナビリティ開示基準(ISSB基準)の採用を支援する専用ネットワークを設立したと発表した。このネットワークには、成長市場委員会(GEMC)に属する32のメンバーが参加し、アブダビ、アルゼンチン、中国、インドなど31の法域を代表している。

参加国は既にISSB基準導入計画を実施中、または計画策定や基準理解を進めており、基準採用に向けた市場準備の評価や監督能力の構築を目指している。ネットワークは、地域レベルでの情報共有や能力構築の場を提供し、各国が基準要件を実行するための支援を行う。

ISSB基準は、投資家にとって有用で比較可能なサステナビリティ情報の提供を目的としており、2023年6月に発表された。7月にはIOSCOが基準を資本市場での使用に向けて承認し、メンバーに採用や活用を促してきた。現在、56の法域がISSB基準の採用や活用に向けて行動を起こしており、その多くがすでに導入を完了している。

IOSCOのジャン=ポール・セルヴェ会長は、「成長市場メンバーが基準の採用に積極的な意欲を示しており、支援が求められている。このネットワークはその要望に応える重要な手段だ」と述べた。

【参照ページ】
(原文)IOSCO’s Growth and Emerging Markets Committee launches a dedicated Network to support its members in the adoption or other use of ISSB Standards in their local jurisdictions


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