ISO、ESG分野の国際ガイダンス「ISO ESG Implementation Principles」を発表

11月14日、ISO(国際標準化機構)はCOP29で、ESG分野における複雑な課題への対応を支援する新しい国際ガイダンス「ISO ESG Implementation Principles」を発表した。このガイダンスは、企業が開示要件に対応し、活動を正確に測定・報告・伝達することを目的としており、無料で提供される。

過去10年間でESG規制が世界的に1.5倍以上になった中で、この新ガイダンスはEUのCSRD(企業サステナビリティ報告指令)や英国の現代奴隷法、ISSBのIFRS S1およびS2などの規制に対応しやすくするための行動可能な指針を提供する。これにより、小規模事業者から多国籍企業まで、またESGコンサルタントや学術機関、研究機関、NGOを含む幅広い組織が一貫性のある報告を実現できるようになる。

このガイダンスは、環境・社会・ガバナンスの各分野に焦点を当て、ESG原則を組織文化に統合することで、効果的なパフォーマンス管理と報告システムを構築することを目指している。これにより、持続可能な成長戦略を促進し、より持続可能な世界への進展を加速させることが期待されている。

また、ESGパフォーマンスに対する世界的な監視強化や、開示の一貫性の欠如、業種や規模によるばらつきが課題とされる中で、ISO ESG Implementation Principlesは以下を目的としている:

  1. ESGパフォーマンスの管理を支援
  2. 既存の開示枠組みに基づいた測定・報告を強化し、一貫性・比較可能性・信頼性を向上
  3. 既存の報告基準との整合性を図り、国境を超えた調和の取れたアプローチを提供
  4. 世界的な一貫性を促進し、持続可能性の取り組みを明確に伝えることを可能にする

【参照ページ】
(原文)International guidance launched to support organizations in navigating ESG challenges

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. ISSB×SASBスタンダード改訂:実務対応の整理とステップガイド

    2025-7-11

    ISSB×SASBスタンダード改訂:実務対応の整理とステップガイド

    2025年7月に公表されたSASBスタンダードの改訂案は、IFRS S2の産業別ガイダンスと連動す…
  2. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  3. 2025-7-10

    EUタクソノミーの簡素化で企業の負担軽減へ―欧州委、報告義務緩和を採択

    7月4日、欧州委員会は、EU共通の分類基準であるEUタクソノミーに関する一連の簡素化措置を採択した…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る