8月14日、スペイン電力大手イベルドローラは、自然ベースのソリューション(NbS)プロジェクトを開発する新会社「Carbon2Nature(C2N)」を立ち上げた。 気候変動と生物多様性の危機に対処するためには自然への投資が不可欠であり、同時に持続可能な価値創造と収益性を創出するという、同社のミッションから生まれた。
Carbon2Nature(C2N)は、炭素クレジット市場の可能性を活用し、高品質の炭素クレジットを創出する自社プロジェクトや共同プロジェクトの開発を推進する。この炭素クレジットを顧客に提供することで、顧客のネット・ゼロ・エミッションへの道を支援し、脱炭素戦略を補完する。
同社は、主に森林、沿岸生態系(ブルーカーボン)、農業用土壌など、10万ha以上の生態系保全・回復プロジェクトの推進により、6,100万トン以上のCO2を自然吸収源に回収・貯留できると見込んでいる。これらのプロジェクトは、劣化による排出を回避し、炭素の追加隔離に貢献すると同時に、複数の環境的・社会的利益を促進する。また、新たな解決策や持続可能な生産プロセスを促進するイニシアティブも立ち上げる。
プロジェクト展開地域は、NbSが大きな可能性を持つ地域に重点を置いている。ブラジル、メキシコ、コロンビア、ペルー、チリなどの中南米諸国がプロジェクトの80%を受け入れ、スペイン、英国、ポルトガルなどの北半球の国々が残りの20%を占める。現在、すでにブラジル、メキシコ、コロンビア、チリ、スペインでプロジェクトの開発に取り組んでいる。
イベルドローラは、スタートアップ・プログラム「PERSEO」を通じてCarbon2Nature(C2N)を立ち上げ、再生可能エネルギーの促進、脱炭素化と経済の電化、送電網のデジタル化、効率的な蓄電の促進、環境への配慮のための革新的なソリューションの実施を支援してきた。
【参照ページ】
(原文)Iberdrola launches Carbon2Nature to reduce the global carbon footprint through nature-based solutions
(日本語訳)イベルドローラ、CO2排出量削減に向けNbSプロジェクト開発会社を設立