ネステと三菱商事、再生可能化学品とプラスチックのバリューチェーン構築で戦略的パートナーシップを締結

7月16日、ネステと三菱商事株式会社は、再生可能な化学品およびプラスチックのバリューチェーンを日本ブランド向けに開発する戦略的パートナーシップを締結した。今回の提携は、食品・飲料、アパレル、家電などの業界におけるブランドをターゲットとしている。両社は、本提携を通じて、日本国内のブランドオーナーを対象とした脱化石化サプライチェーン構築を加速させることを目指す。

  • ネステの役割: ネステは、持続可能な社会の実現と、より持続可能な素材に関する専門知識を提供する。具体的には、再生可能なバイオ原料であるNeste RE™を通じて支援を行う。
  • 三菱商事の貢献: 三菱商事は、石油化学製品および誘導品の事業開発とサプライチェーンマネジメントにおける豊富な経験を提供する。これにより、サプライチェーンにおけるGHG排出削減や化石資源への依存度低減を目指す日本ブランドに対し、包括的なソリューションを提供する。

ネステと三菱商事は、サントリーホールディングス株式会社向けの再生可能PETボトルの製造や、ゴールドウイン株式会社向けのバイオ由来素材による衣料品の製造など、複数のプロジェクトで協力してきた。

キャリー・ソング氏(ネステ・リニューアブル・プロダクツ社 コマーシャル担当上級副社長)は、「今回の提携により、持続可能性を重視する日本の企業に対し、プラスチック関連の温室効果ガス排出量を削減するためのフルパッケージを提供することができる。私たちは材料とノウハウを提供し、バリューチェーンに材料を供給することで、企業がより持続可能なソリューションへの転換を容易にすることができる」と述べている。

渡邉善之氏(三菱商事株式会社 新規事業開発本部長)は、「私たちの強みは、サプライチェーンを構築し、日本のさまざまなブランドオーナーにアクセスできることである。長年にわたり、伝統的な取引と信頼できるパートナーとの協力による戦略的投資を通じて、この強みを培ってきた。これらの実績は単独では達成できないことを認識し、ネステとの関係を強化することを熱望している。同じ価値観を共有するパートナーとのネットワークを拡大することで、経済的、社会的、環境的な利益を生み出し、社会のニーズに応えていきたいと考えている。」と述べた。

ネステと三菱商事は、本戦略的パートナーシップの下、化石プラスチックから再生可能プラスチックへの転換を加速させ、素材分野における脱化石化社会の早期実現に貢献していくことを目指している。

【参照ページ】
(原文)Neste and Mitsubishi Corporation agree on strategic partnership to develop supply chains for renewable chemicals and plastics
(日本語参考訳)ネステと三菱商事、再生可能化学品とプラスチックのサプライチェーン構築で戦略的提携に合意

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