脱炭素建築の新興企業Bedrock Energy、約12億円を調達

 

10月16日、地熱冷暖房技術企業のBedrock Energyは、850万ドル(約12億円)のシードキャピタルを調達したと発表した。本資金調達で得た資金は、カーボンフリーのHVACシステムで不動産の脱炭素化を支援するソリューションを推進するために使用される。

建物は世界的な温室効果ガス排出の重要な原因であり、長期的な性質上、最も交換が難しいもののひとつである。全体として、建物は世界の炭素排出量の約15%に寄与していると推定され、冷暖房はその約35%を占めている。不動産所有者が資産の脱炭素化を迫られるなか、排出ガスを出さない地熱エネルギーは解決策を提供できる。特に、地熱システムの初期費用を相殺する連邦政府のインセンティブが大幅に設けられている。

2022年に設立されたカリフォルニア州を拠点とするBedrock Energyは、建物に地熱冷暖房を供給するための掘削技術を設計・製造している。同社の技術は自律掘削と高度な地下モデリングを組み合わせ、地熱プロジェクトのスピードとスペース効率を大幅に向上させ、密集した都市部での地熱空調の利用を可能にする。同社によると、本システムにより、不動産オーナーや投資家は大規模な不動産の脱炭素化を実現し、投資回収期間は5年以下となる。

立ち上げ以来、Bedrock Energyは掘削資産の設計・製造、地下物理モデリング・ソフトウェアの開発、多分野にまたがるチームの増強に注力してきた。同社によると、今回の資金調達で得た資金は、全電気式地中熱空調システムの経済性を向上させる技術の製造と展開を加速させるために使用される。

今回の資金調達ラウンドはWireframe Venturesが主導し、Overture Climate VC、Long Journey Ventures、Cantos、Toba Capital、First Star Ventures、Divergent Capital、Climate Capitalが参加した。

【参照ページ】
(参考記事)Bedrock Energy raises $8.5M for autonomous geothermal HVAC technology

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  2. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…
  3. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…

ピックアップ記事

  1. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  2. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …
  3. 2025-8-18

    金融庁、EDINET新タクソノミ案公表 27年版ではサステナ情報開示も検討

    8月8日、金融庁は企業の有価証券報告書などで利用される電子開示システム「EDINET」の基盤となる…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る