CDP、気候移行計画を開示する企業が50%近く増加と発表

6月19日、CDPは、1.5°C目標に適合した気候移行計画に関する新たなデータを発表した。

同データによると、気候移行計画を開示する企業が50%近く増加したという。気候移行計画とは、企業の資産・経営・ビジネスモデル全体を1.5°C目標に適合させるための行動計画である

CDPによると、2023年には5,906社(調査対象企業の約25%)が気候移行計画を有しており、これは2022年度から44%の増加である。さらに、36%(8,200社)が2025年までに計画を策定するとしている。CDPは、このデータが、気候移行計画が企業の気候対策への信頼性を示すだけでなく、資本へのアクセス、効率向上、市場および規制要件への適応においても重要であることを示すものである。

また、CDPの新しい分析によると、企業は2年以内に『信頼性の高い計画』を策定し、開示できることが示されている。CDPが全指標を網羅していると評価した企業のうち25社は、2年前に計画を立案する意向を示していた企業であった。また、計画を有する企業の39%(2,329社)は、信頼性を十分に評価するために必要なほとんどの指標についてデータを開示しており、これは企業が計画の策定に向けて順調に進んでいることを示している。

環境基準に基づく計画の開示は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)や欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)などの規制において要求されており、信頼できる移行計画を持つことがネットゼロを達成した市場で成功する企業の指標となる。

【参照ページ】
(原文)1.5°C still the goal: businesses disclosing climate transition plans jumps nearly 50%
(日本語参考訳)1.5°Cは依然として目標:気候変動移行計画を開示する企業が50%近く増加

関連記事

“CSAセミナー"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    2025-4-1

    ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    CSRD(企業サステナビリティ報告指令)のオムニバス草案が提出され、欧州の開示規則が変わる中、20…
  2. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-3-27

    【GPIF発表】「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」選定結果

    3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式の運用を委託している運用機関に対…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る