6月5日、国際エネルギー機関(IEA)は、従来型車両と電気自動車のライフサイクル全体にわたる温室効果ガス排出量を比較する新しいオンラインツールを発表した。このツールでは、車両のサイズ、燃費、年間走行距離などの詳細なパラメータを入力することで、製造、使用、廃棄に至るまでのライフサイクルの排出量を計算できる。電気自動車については、電力の供給源(化石燃料、再生可能エネルギーなど)やバッテリー製造時の排出量も考慮される。
このツールの機能は、エネルギー供給に関する前提条件を調整できる点で特徴的だ。例えば、電力供給の際に使用される化石燃料の割合や再生可能エネルギーの割合を設定し、それに基づいて排出量の変化を評価できる。また、地域ごとの電力グリッドの排出強度やバイオ燃料の混合率も設定可能であり、異なるシナリオ下での排出量の比較が可能である。
このツールは、政策立案者にとって、具体的なデータに基づいて効果的な環境政策を策定する際に役立つとしており、また、研究者や企業は、新技術や新エネルギー源の導入が環境に与える影響を評価し、持続可能な開発を推進するための基礎データとして活用できるともしている。
このオンラインツールは、IEAのウェブサイト上で無料で利用可能であり、環境問題に関心のあるすべての人々にとって非常に価値のあるリソースであり、今後もこのようなツールを通じて、持続可能なエネルギー政策と実践の推進に寄与していく予定だと述べている。
【参照ページ】
(原文)New IEA online tool compares lifecycle emissions from traditional and electric cars
EV Life Cycle Assessment Calculator
(日本語参考訳)IEAの新しいオンラインツールで従来型と電気自動車のライフサイクル排出量を比較
EVライフサイクルアセスメント計算機