世界自然保護基金(WWF)は、生産者が農場での食品ロスを測定・報告できる「グローバル・ファーム・ロス・ツール」を発表した。
当ツールは、WWFが開発し、消費財フォーラム(CGF)の食品廃棄物連合(Food Waste Coalition)のメンバーとその生産者とともにテストされている。農家とそのバイヤーが、農場での食品ロスの原因を特定し、Scope3排出量などの関連する影響に対処できるよう、使いやすく簡素化されたアプローチを提供する。
このツールは、農場での食品ロスを削減することを目標としている。WWFと小売業大手のテスコの調査によると、世界中で年間12億トン(全生産食品の約15%)が、収穫中、収穫前後、収穫後の農場で失われている。しかし、生産者やバイヤーは、収穫されずに残された食品の量に関する限られたデータしか持っていないため、食品ロスのうちどの程度が市場流通可能なものなのか、市場流通不可能なものなのか、腐敗しているものなのかを知ることができない。
当ツールは、生産者とバイヤーが現在の食品ロス量を把握し、生産されたものをより多く利用するための実用的な情報を提供する。このツールは、ポストハーベストや、農場での作業において、どれだけ成熟したものが食品ロスとなったかを推定するために使用することができる。
Global Farm Loss Toolは、世界資源研究所(WRI)の10x20x30や気候変動対策NGOであるWRAPのFood Waste Atlas、国連食糧農業機関のFood Loss Indexなど、既存の評価プログラムと互換性がある。WRI内プロジェクトのChampions 12.3 によって承認されたこのツールは、既存の農場持続可能性報告の枠組みにも統合され、農場での食品ロスに関連するScope3 排出量を推計する新たな機能を今後開発する予定である。