3月21日、世界的なエネルギー・電力供給会社であるイベルドローラは、電化に焦点を当てた大規模な投資計画を発表し、2024年から2026年までにネットワークと再生可能エネルギーに410億ユーロ(約6兆円)を割り当て、1万人を雇用することを約束した。
本投資計画は、イベルドローラのイグナシオ・ガラン会長がキャピタル・マーケッツ・デイで発表した戦略的最新情報の一部として発表されたもの。「エネルギーの電化は止められず、今後数年間で飛躍的に拡大し、脱炭素化を支え、エネルギー安全保障を強化し、化石燃料による変動を軽減する」と指摘した。
本戦略計画では、ネットワークベースの成長に大きな焦点が当てられており、投資計画の60%を占め、そのうち約3分の2が配電、3分の1が送電を対象としている。イベルドローラは、本投資により2026年にはネットワーク資産が38%増加し、地理的分散が改善され、投資の40%以上が米国に割り当てられると見積もっている。
同社のネットワーク拡大計画は、送電網への投資が世界的な気候変動目標の達成を可能にする重要な要素であると考えられていることを受けてのもの。国際エネルギー機関(IEA)の最近の報告書によると、気温上昇を1.5℃に抑えるというパリ協定の目標を達成し、再生可能エネルギーの新規導入の増加に対応するためには、2040年までに世界全体で8,000万kmの送電線を増設または交換する必要があり、その投資額は2030年までに年間6,000億ドル(約91兆円)超に倍増するという。
同計画では、再生可能エネルギーへの150億ユーロ(約2兆円)以上の投資も見込んでおり、その半分以上が米国、英国、フランス、ドイツにおける洋上風力発電プロジェクトに割り当てられる。
本投資額には、イベルドローラがすでに発表している米国子会社アバングリッドの18.4%のうち、まだ保有していない株式の取得にかかる28億ユーロ(約4,600億円)も含まれており、再生可能エネルギーへの投資額のうち50億ユーロ(約8,215億円)は、すでに特定されているプロジェクトのパートナーから拠出される。これらの要因を差し引くと、2024年から2026年までの地域別投資予定額は、米国35%、英国24%、イベリア15%、ラテンアメリカ15%で、残りはドイツ、フランス、オーストラリア、その他の地域となる。
【参照ページ】
(原文)Iberdrola will invest €41 billion and hire 10,000 people by 2026 to accelerate electrification
(日本語参考訳)イベルドローラ、2026年までに送電網拡張と再生可能エネルギーに7兆円を投資