EU、農家の行政負担軽減策を提示

2月22日、EUは、議長国ベルギーに対して農家にのしかかる行政負担を軽減するパッケージを提案した。本文書は短期的及び、中期的目標を定めており、26日の農業理事会で協議される。

現在の共通農業政策(CAP)は、国単位で決定・実施されるCAP戦略計画に基づくものであり、簡潔化と補完性という点で、以前と比べてすでに一歩前進している。加盟国は、農家の行政負担を限定的かつEU法の目的達成に見合ったものに維持する上で、重要な役割を果たしている。そのため、簡潔化を成功させるには、各国の行政機関や農家自身との緊密な協力のもとに実施されなければならない。

上記を踏まえEUは、3月に農家を対象としたオンライン調査を行い、CAP規制だけでなくEU内の食品や農業に関する規制や、それらの適用に起因する行政手続きの負担も把握する。また、EU資金の管理・支払いを担当する各国の行政上の障害についても調査をし、何らかの救済をもたらすような短期的・中期的対策を提案している。

第一に、EUは農家が遵守すべき規制の一部緩和を提案。的せり農業・環境条件(GAECs)と呼ばれる一連の基準は、CAPの支援を受けるすべての農家に求められるが、状況によってそれが困難なことがわかっている。EUはすでにGAEC 8と呼ばれる休耕地に関する規制について一部免除を認めている。EUは、今回最初の規制であったGAEC 1の改正を提案。

第二に、いくつかの立会検査の簡素化を提案し、行政当局による農場訪問回数を最大50%削減することを目指している。

第三に、不可抗力や例外的状況を明示することを提案。深刻な干ばつや洪水のような例外的で予測不可能な自体によってCAPの要求項目を満たすことができない農家に対して、罰則を課さないことを認めるものである。明確化により、EU加盟国間で同一な基準が保証されることになる。

【参照ページ】EU、農家の負担軽減に向けた
(原文)The European Commission presents options for simplification to reduce the burden for EU farmers
(日本語参考訳)欧州委員会は、EUの農家の負担を軽減するための簡素化の選択肢を提示

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