2月13日、投資大手のブラックロックは、議決権行使選択プログラムを初めて個人投資家にも拡大し、同社のiシェアーズ・コアS&P500 ETFの約2000億ドル(約30兆円)の資産を保有する個人投資家にも拡大することを発表した。
本プログラムにより、S&P 500上場投信の300万を超える株主口座に、投資家自身が委任状による議決権行使の選択肢をコントロールできるようになり、個人投資家は役員報酬、気候変動への取り組み、ガバナンスなどの問題について発言できるようになる。
ブラックロックは2021年に、米国と英国で運用する一部の口座において、年金基金、保険会社、企業を含む特定の機関投資家向けに、議決権行使の選択肢を導入した。ブラックロックは昨年、議決権行使の選択肢を個人投資家にも拡大する計画を発表し、プログラムの拡大に取り組んできた。
今回のS&P500 ETFへのプログラム拡大により、議決権行使の選択肢はブラックロックのインデックス株式AUM総額の2.6兆ドル(約390兆円)、つまり全世界のインデックス株式AUMの約半分が対象となる。
ブラックロックは、この試験運用を通じ、投資家の関心、委任状投票のインフラ、全体的なユーザー・エクスペリエンスを評価するとしている。
本プログラムでは、投資家が自身の方針に従って議決権を行使し、自身の議決権行使インフラを利用する方法、サードパーティの方針メニューから選択し、その選択に従って議決権を行使する方法、ブラックロックのインフラを通じて個別の決議案に直接議決権を行使する方法、ブラックロックの議決権行使方針に従って、ブラックロックのスチュワードシップ・サービスであるブラックロック・インベストメント・スチュワードシップ(BIS)を引き続き利用する方法など、複数の議決権行使オプションが用意されている。
【参考ページ】
(原文)BlackRock Opens Proxy Voting Platform to Millions of Retail Investors
(日本語参考訳)ブラックロック、数百万人の個人投資家に議決権行使プラットフォームを公開