1月26日、モルガン・スタンレーが発表した新しい調査によると、投資家の半数以上が、今後1年間にサステナブル投資への資産配分を増やす予定であることがわかった。
モルガン・スタンレーは「サステナブル・シグナルズ」と題する報告書の中で、米国、英国、フランス、ドイツ、スイス、日本の投資可能資産10万ドル(約1,479万円)以上の投資家2,800人以上を対象に調査を実施した。
同調査によると、投資家の77%以上がサステナブル投資に関心があると回答し、うち40%が「非常に関心がある」、57%が「過去2年間で関心が高まった」と答え、54%が「今後1年以内にポートフォリオに占めるサステナブル投資の割合を増やす」と予想している。
地域別では、米国と欧州の投資家が最も強いレベルでサステナブル投資への関心と投資計画を示しており、米国の回答者の84%、欧州の回答者の85%が「関心がある」と回答し、各グループとも回答者の3分の2近くが過去2年間でサステナブル投資への関心が高まったと回答している。これらの地域では、ミレニアル世代の投資家の関心度が特に高く、米国ではこの層の回答者の96%、欧州では97%が関心を示している。
日本では、「サステナブル投資に関心がある」と回答した人は56%にとどまり、「関心が高まった」と回答した人は36%にとどまった。
調査によると、「財務リターンの最大化」が依然として投資の優先事項として最も多く示されているにもかかわらず、ほとんどの投資家はESGと財務パフォーマンスの間に矛盾はないと考えており、サステナブル投資への高い関心が持続している。さらに、モルガン・スタンレーによると、サステナブル投資が前年度にアンダーパフォームしたことを認識している投資家でさえ、サステナブル投資への関心が高まったと回答しており、サステナビリティ重視の投資家が長期的な投資視野を持っていることを示唆している。さらに、投資家の約4分の3が、「先進的なESG慣行は潜在的に高いリターンにつながる可能性があり、そのような企業は長期的な投資先として優れている可能性がある」という意見に同意している。
また、同レポートでは、サステナブル投資の主な推進要因と障壁についても調査しており、投資家がサステナブル投資への関心を変えた出来事として、インフレ(56%)、気候科学の新たな知見(53%)、財務パフォーマンス(52%)を挙げた。ポートフォリオにサステナブル投資を組み入れることを妨げる要因として、報告データの透明性や信頼性の欠如(63%)、グリーンウォッシングへの懸念(61%)、投資パフォーマンスへの懸念(61%)を上位に挙げている。
調査によると、投資家の大多数は企業が持続可能性の問題に取り組むことを望んでおり、回答者の82%は企業が環境問題に取り組むべきであると考え、77%は企業が社会問題に取り組むべきであると答えている。報告書によると、投資家はこうした考えを投資先の選択に取り入れているようで、80%近くが新規投資を行う際に、企業の持続可能性慣行、カーボンフットプリント、排出削減の取り組みに関する報告を考慮すると回答しており、58%が持続可能な投資を提供しているかどうかに基づいてファイナンシャル・アドバイザーや投資プラットフォームを選ぶ可能性があると回答している。さらに、回答者の半数以上が、伝統的なエネルギー企業に投資するのは、その企業が排出量削減のための確固とした計画を持っている場合に限ると回答し、60%が、投資ポートフォリオにカーボンオフセットがあれば購入する可能性があると回答した。
【参照ページ】
(原文)Individual Investors’ Interest in Sustainability Is on the Rise
(日本語参考訳)モルガン・スタンレー調査:過半数の投資家が今年、持続可能な投資を増やす予定