世界経済フォーラム、「グローバルリスク報告書2024」を発表

世界経済フォーラム、「グローバルリスク報告書2024」を発表

1月10日、世界経済フォーラム(WEF)が毎年開催されるダボス会議のタイミングに合わせて、「グローバルリスク報告書2024」を発表した。調査はWEFの専門家メンバーによるアンケート「Global Risks Perception Survey(GPRS)」を基に行われ、今回が19回目の発表となる。

報告書によれば、今後10年で最も負のインパクトが大きいとされたリスクは以下の通りである。

  1. 異常気象
  2. ティッピング・ポイント
  3. 生物多様性喪失と生態系崩壊
  4. 天然資源枯渇
  5. 誤情報と偽情報

「異常気象」が例年通り最大のリスクとなり、2位まで気候変動に関連するリスクがランクインした。3位には生態系・生物多様性のリスクが入った。AIの進化により生じる誤報と偽情報も5位にランクインし、新たな課題として浮上した。

短期的なリスクに関するアンケートでは、首位から5位までが以下の通り。

  1. 誤情報と偽情報
  2. 異常気象
  3. 社会の二極化
  4. サイバーセキュリティ危機
  5. 国家間の武力紛争

特に、誤報と偽情報が首位となり、生活コストの上昇、AIの進化、社会の二極化、選挙における情報改ざんが原因とされた。

世界の安定に関する調査では、短期的には16%、長期的には9%の専門家が安定していると回答し、大半が今後10年間で世界が大きく変化すると予測している。同報告書では各国のエグゼクティブによるリスク評価も公開され、日本においては国家間の武力紛争、労働力不足、景気悪化、気候変動以外の自然災害、異常気象が順位付けされた。

【参照ページ】
(原文)Global Risks 2024: Disinformation Tops Global Risks 2024 as Environmental Threats Intensify
(日本語参考訳)2024年の世界リスク 2024年、世界のリスクは「偽情報」がトップ 環境の脅威が深刻化

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

アーカイブ

ページ上部へ戻る