EU議会、誤解を招く製品の持続可能性表示を禁止する新法を承認

EU議会、誤解を招く製品の持続可能性表示を禁止する新法を承認

1月17日、欧州議会の議員らは、「環境にやさしい」「気候変動に左右されない」といった、証明されていない一般的な製品クレームの使用や、排出オフセット制度の利用に基づく環境負荷の低減をうたった製品の販売など、一連の商慣行を禁止する新たな反グリーンウォッシング法を、593対21で採択した。

今回の合意は、EU委員会が2022年3月に発表した、不誠実または強引な広告などの不公正な商行為から消費者を保護し、消費者に製品に関する情報を提供することを目的としたEUの現行規則を改正し、グリーン移行に関連する考慮事項を盛り込むための一連の提案に続くものである。欧州委員会が最近行った調査によると、EU域内の企業によるグリーンに関する主張の半数以上はあいまいで誤解を招くものであり、40%はまったく根拠のないものであった。

新法の主な内容には、製品ラベルをより明確にすることを目的とした規則が含まれており、これによって、裏付けのない一般的な環境主張の使用が禁止される。また、持続可能性ラベルについては、公的な認証制度に基づくもの、または公的機関が制定したもののみを使用できるように規制される。同法はまた、製品が環境に与える影響を中立、低減、または肯定的に示すオフセット制度に基づく主張の使用も禁止する。

新法はまた、製品の耐久性に焦点を当てた規則も含んでおり、製品の保証情報をより見やすくすることを義務付け、保証期間が延長された製品をより目立たせるための統一ラベルの作成を義務付ける。

新法案は、9月に議会と暫定合意に達したEU理事会の承認を経て、法制化される。EUの官報に掲載された後、加盟国は2年以内にこの規則を国内法に統合しなければならない。

新法に加え、EU委員会は、グリーンウォッシングから消費者を守るため、「グリーン・クレームに関する指令」を提案している。

【参照ページ】
(原文)MEPs adopt new law banning greenwashing and misleading product information
(日本語参考訳)欧州議会、グリーンウォッシュと誤解を招く製品情報を禁止する新法を採択

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る