12月6日、ルフトハンザ・グループは、航空宇宙大手のエアバスとの間で、エアバス・カーボン・キャプチャー・オファー(ACCO)の一環として、ダイレクト・エア・キャプチャー(DAC)技術による大気中からのCO2除去を通じて提供される4万トンの炭素除去クレジットの事前購入について合意したと発表した。この証書は4年間にわたり交付され、2026年から利用可能となる。
DAC技術は、IEAがネット・ゼロ・エネルギー・システムへの移行における重要な炭素除去オプションとして挙げているもので、大気からCO2を直接抽出して原料として使用したり、貯蔵と組み合わせることで永久的に除去したりする。昨年発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の画期的な気候変動緩和研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオには、今後数十年にわたって年間数十億トンに拡大する二酸化炭素除去方法が含まれており、DACはその大部分を占める可能性がある。
2022年、エアバスはDAC(Direct Air Carbon Capture)企業の1PointFiveと提携し、40万トンの炭素除去量を初期炭素クレジットとして購入した。1PointFiveは、エネルギー大手オクシデンタル(Oxy)の炭素回収に特化した子会社で、現在、テキサス州パーミアン盆地に世界最大のDAC施設を建設中である。
ルフトハンザドイツ航空は、2050年までにCO2収支をニュートラルにすることを目標に掲げ、2030年までに2019年比でCO2純排出量を半減させることを目標としている。ルフトハンザドイツ航空の気候変動への取り組みは、持続可能な航空燃料の利用拡大など、主に排出量削減に重点を置いているが、同社は炭素除去ソリューションを「持続可能性戦略における補完的な手段」と見なしているという。ルフトハンザはまた、DACがSAFの開発に貢献できることを指摘し、Power-to-LiquidやSun-to-Liquid技術などのソリューションでは、回収した炭素の利用が必要であるとしている。
【参照ページ】
(原文)Lufthansa Group joins Airbus’ carbon-removal initiative
(日本語参考訳)ルフトハンザ、エアバスの炭素排出権プログラムに参加、4万トンの炭素クレジットを購入