ICMA、ESG評価機関・サービスプロバイダー向け国際行動規範を発表

12月14日、国際資本市場協会(ICMA)は、ESG評価機関・サービスプロバイダーに対する自主的な国際行動規範を発表した。この行動規範は、証券監督者国際機構(IOSCO)のサステナブルファイナンスのグリーンウォッシュ防止勧告に基づいている。

ESG評価機関・サービスプロバイダーに対する行動規範は、日本の金融庁を含む各国で既に導入が進んでいるが、ICMAは今回、国際的な共通の基準を提供する形で発表した。策定のステアリング・コミッティは、ムーディーズ、M&G、ロンドン証券取引所グループ(LSEG)、スローター&メイで構成されている。

ワーキンググループには、ルクセンブルク証券取引所、MSCI、RepRisk、Sustainalytics、S&Pグローバル、ブルームバーグ、ブラックロック、USS、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSGA)、アクサ・インベストメント・マネージャーズ、バークレイズ、国連責任投資原則(PRI)、投資協会(IA)などが参加している。オブザーバーとして、イングランド銀行、英財務省、金融行動監督機構(FCA)、英国財務報告評議会(FRC)、シンガポール通貨監督庁(MAS)、日本の金融庁、オンタリオ証券取引委員会が加わっている。

ESG評価機関・サービスプロバイダー行動規範は、6つの原則で構成されており、「グッド・ガバナンス」「品質の確保」「利益相反」「透明性」「守秘義務」「エンゲージメント」が具体的に定義されている。金融庁の行動規範とは異なり、人材育成が含まれず、代わりに「グッド・ガバナンス」が追加された。

各原則には、原則細則、背景文脈、アクション、目指す姿などが詳細に記載されており、行動規範の運用については、2024年1月31日にロンドン証券取引所でハイブリッド・イベントが開催され、議論される予定である。

【参照ページ】
(原文)ICMA publishes voluntary Code of Conduct for ESG ratings and data products providers
(日本語参考訳)ICMAがESG格付・データ商品プロバイダーの自主行動規範を公表

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