カナダ、2035年までに100%ゼロエミッションの新車販売を義務付ける

カナダ、2035年までに100%ゼロエミッションの新車販売を義務付ける規制を最終決定

12月20日、カナダ政府は、EVの利用可能性に関する新基準を発表した。2035年までにゼロ・エミッション車(ZEV)の販売台数100%を達成することを目標に、乗用車、SUV、小型トラックを含むゼロ・エミッション小型車の新車販売比率を毎年増加させることを義務付ける。

新基準は、2030年までに温室効果ガス排出量を40%~45%削減するという気候変動に関する暫定目標を達成するための戦略をまとめた政府の「2030年排出削減計画」が年初に発表されたのを受け、2022年に草案として発表された。同戦略には、充電ステーションやインフラへの資金提供、EVインセンティブなど、その他の輸送電化の動きとともに、軽自動車にZEV販売義務化を導入する計画が含まれている。

政府によると、運輸部門はカナダの温室効果ガス排出量の約25%を占め、小型車はその約半分を占めている。

新基準は2026年に開始される。自動車メーカーと輸入業者による新車販売の少なくとも20%をZEVとすることが要求され、2030年までに60%に増加し、2035年までに100%に達する。政府の統計によると、2022年上半期の新車登録台数のうち、バッテリー式EVとプラグイン・ハイブリッド車の販売台数は8%弱を占めている。

同規制では、ZEVをバッテリーEVと水素を燃料とする燃料電池車、および電気のみの走行距離で基準を満たすプラグイン・ハイブリッド車と定義している。

新基準の完成を発表した政府の声明によると、本規制は、消費者がZEVを利用できるようにすることを目的としており、カナダの自動車産業のバッテリーと自動車サプライチェーンを支援する政府計画の一部を形成している。

特に、カリフォルニア州で昨年発表された、2035年までに同州で販売されるすべての新車、ピックアップトラック、SUVをゼロエミッション車にすることを義務付ける規則は、他の10州でも同様の基準を設けており、これに続くものである。国際的にも、EUと英国は2035年までにZEVのみの新車販売を目標とする規制を実施している。

【参照ページ】
(原文)Canada’s Electric Vehicle Availability Standard (regulated targets for zero-emission vehicles)
(日本語参考訳)カナダの電気自動車アベイラビリティ基準(ゼロ・エミッション車の規制目標)

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