シンガポール航空とスクート、2030年までに全燃料需要の5%にSAFを使用する目標を設定

11月14日、SIAグループの航空会社であるシンガポール航空(SIA)とスクートは、2030年までに総燃料使用量の5%を持続可能な航空燃料(SAF)に置き換えるという目標を発表した。

ここ数年間、同グループは、SAFの供給と採用を拡大するための業務上および商業上の考慮事項をよりよく理解するため、シンガポールおよび世界中のパートナーと緊密に協力してきた。SIAは、シンガポールの国際諮問委員会(IAP)のメンバーとして、同国の航空部門の脱炭素化ロードマップの策定において積極的な役割を果たしている。

2017年、SIAはシンガポール民間航空局(CAAS)と提携し、SAFの使用、燃料効率の高い航空機、最適化された運航を組み込んだサンフランシスコ発シンガポール行きのグリーンパッケージ便を12便運航。また2020年、SIAはスウェーデンの空港運営会社Swedaviaと1年間のパートナーシップを結び、ストックホルム-モスクワ間のSIA便に空港の燃料給水栓システムを通じてジェット燃料とSAFの混合燃料を導入した。本提携により、再生可能燃料のロジスティクスと調達に関するグループの理解が深まった。

2023年9月、SIA、CAAS、GenZero1は、20ヶ月間のSAF試験運用を終了した。本試験では、1,000トンのSAFが輸入され、シンガポールで混合、チャンギ空港の燃料給水栓システムを経由してSIAとスクートのフライトに搭載された。信頼できる業界標準である持続可能な生物材料に関する円卓会議(RSB)のブック&クレームシステムを通じて、同等の1,000SAFクレジットが生成され、これは約2,500トンのCO2削減に相当する。本クレジットは、企業や貨物輸送業者に提供され、CO2排出量を削減すると同時に、新興のSAF産業の発展を支援する手段として活用された。

本試験運用により、シンガポールの持続可能な燃料の運用態勢が再確認され、SAFクレジットの取引が信頼と透明性のある方法で行われることが確認された。SIAは、企業におけるSAFへの認識と支持を高め、ブック&クレームシステムの信頼性を構築し、SAFの採用を拡大する努力を奨励するため、業界のパートナーとその学びを共有している。

【参照ページ】
(原文)Singapore Airlines And Scoot Set Target To Use Sustainable Aviation Fuel For 5% Of Total Fuel Requirements By 2030
(日本語参考訳)シンガポール航空とスクート、2030年までに全燃料需要の5%にSAFを使用する目標を設定

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-18

    EC、サステナビリティ報告に「緊急修正措置」 先行企業の負担を軽減

    7月11日、欧州委員会は欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)に対する的を絞った「緊急修正措置」…
  2. 複雑化する制度を整理:課題別サステナビリティ情報開示の進め方

    2025-7-17

    複雑化する制度を整理:課題別サステナビリティ情報開示の進め方

    サステナビリティ情報開示の実務の“今”に応じたオリジナル解説記事のご案内 サステナビリティ情…
  3. 2025-7-17

    カリフォルニア州、企業の気候情報開示でFAQを発表 – 報告義務の具体策示す

    7月9日、カリフォルニア州大気資源局(CARB)は、州内で事業を行う大企業に温室効果ガス(GHG)…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る