デロイト「データの質に課題」2024年サステナビリティ報告調査結果を発表

デロイトは、企業のESG報告と準備に関する最新の調査結果を発表した。本調査は、年間売上高約781億円以上の上場企業の経営幹部300名を対象に実施された。

調査結果によると、企業はESG報告を戦略的優先事項として位置づけ、部門横断的なESG委員会を設立し、最高サステナビリティ責任者(CSO)が主導する形で組織全体の報告を監督していることが分かった。98%の回答者が、過去1年間でサステナビリティ目標に向けた進展を報告している。

主な課題として、データの質の低さが挙げられ、57%の企業がこれを最大の課題と捉えている。特に、Scope 3温室効果ガス(GHG)排出量の報告においては、わずか15%の企業が準備および開示を行っている。

ESG報告の戦略的な重要性が増す中、企業は報告プロセスの強化や新たなリソースの採用に投資しており、74%が新技術やツールへの投資を予定している。また、99%の企業がESGデータに対する保証取得を計画している。

本調査は、企業が内部および外部の利益を認識し、サステナビリティレポートに積極的に取り組んでいることを示している。

【参照ページ】
(原文)2024 Sustainability Action Report Survey findings on ESG disclosure and preparedness

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成しています。今後の動向により内容は随時更新され…

ピックアップ記事

  1. 【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    2025-10-15

    【特別対談】人的資本が企業価値を作るーANAが実践するサステナビリティ経営戦略に学ぶ(前編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…
  2. 【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    2025-10-15

    【特別対談】サステナビリティ情報開示の進展が企業価値向上を実現。AI/テクノロジー活用への期待(後編)

    本記事は、ESG Journalを運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下シェルパ)のC…
  3. AI時代のサステナビリティ情報開示のポイント ー現状チェック項目付ー

    2025-10-13

    AI時代のサステナビリティ情報開示のポイント ー現状チェック項目付ー

    サステナビリティ情報開示は、アナリスト(人間)が読むことを前提とされた構造になっているが、近年は主…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る