CSRD対象縮小でも9割が継続、企業のサステナビリティ報告が拡大

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3月15日、EUの企業サステナビリティ報告指令(CSRD)の適用範囲縮小にもかかわらず、多くの企業が報告を継続する動きが明らかになった。サステナビリティソフトウェア企業osapiensが欧州および英国の400人超の経営層を対象に実施した2024年調査によれば、CSRD対象外となった企業の90%が報告を維持または拡大する意向を示し、86%がCSRD準拠の報告作成が可能と回答した。

CSRD(EU指令2022/2464)は段階的に導入されており、大企業や上場中小企業を対象にサステナビリティ情報の開示を義務付ける制度である。今回の「Omnibus I」により、一部の中小企業や子会社が適用対象から除外され、報告義務が緩和された。

しかし、企業が自主的に報告を継続する背景には複数の要因がある。第一に、投資家や金融機関がESG情報を重視しており、調査では約9割の企業が、サステナビリティ情報を財務報告プロセスと部分的または全面的に統合していると回答した。第二に、CSRD対象企業がサプライチェーン全体の情報開示を求めるため、取引維持には対応が不可欠となっている。

さらに、報告プロセスを通じて炭素排出や資源効率、労働慣行などの可視化が進み、リスク管理や経営判断の高度化につながる点も指摘される。加えて、ESG規制は国際的に拡大しており、将来の規制強化に備えた体制構築も重要とされる。

報告枠組みとしては、EUのESRSがダブルマテリアリティに基づく包括的基準として採用されるほか、ISSBのIFRS S1・S2など国際基準も参照されている。企業はデータ管理体制の整備やシステム統合、報告の自動化などを進め、サステナビリティを経営戦略に統合する動きが広がっている。

(原文)New osapiens Study: Majority of European Companies Continue Sustainability Reporting After the Omnibus

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