エミレーツ航空、ネステによる世界初のSAF100%エンジン搭載A380実証飛行を実現

11月22日、航空世界大手エミレーツ航空は、エアバスA380の4基のエンジンのうち1基にフィンランド石油化学大手ネステの持続可能な航空燃料(SAF)を搭載し、実証飛行を行ったと発表した。SAFは現在、従来の化石ジェット燃料と最大50%混合して使用することができる。

A380のデモフライトはドバイ国際空港から離陸し、ネステ、エミレーツ航空、エアバス、エンジンアライアンス、プラット&ホイットニー、ヴィレントが協働し、ENOCがネステのSAFの納入をサポートした。本フライトは、安全で信頼性の高い燃料としてのSAFの性能と適合性を実証するものである。

本フライトで使用された100%SAFには、再生可能な芳香族成分も含まれている。本燃料の特性は従来のジェット燃料に似ているため、いわゆる「ドロップイン」燃料となり、使用前に航空機やそのエンジンを改造する必要がない。A380型機に100%ドロップインのSAFが使用されるのは今回が初めてで、航空機の既存システムとの完全な互換性が期待される。

ネステは、「Neste MY Sustainable Aviation Fuel」を提供し、これにENOCがVirentの芳香族成分を添加して、ジェット燃料のすべての要件を満たす100%再生可能なジェット燃料を製造した。再生可能な原料から作られた100%SAFは、航空機のエンジンアライアンスGP7200エンジン1基に供給され、他の3基のエンジンには従来の化石ジェット燃料が使用された。エンジンが稼動していないときに航空機のシステムに電力を供給するプラット・アンド・ホイットニー・カナダのPW980補助動力装置(APU)も100%SAFで稼動した。

ネステのSAFを使用した今回のデモフライトは、エミレーツ航空とネステとの間で、アムステルダム・スキポール空港とシンガポール・チャンギ空港を出発するエミレーツ航空便向けに、2024年と2025年の間に9,000トン(300万ガロン)以上のNeste MY Sustainable Aviation Fuelを混合して供給するという、最近発表した提携拡大に続くものである。

【参照ページ】
(原文)Neste enables Emirates to operate world’s first Airbus A380 demonstration flight with one engine powered with 100% SAF
(日本語参考訳)エミレーツ航空、ネステによる世界初のSAF100%エンジン搭載A380実証飛行を実現

関連記事

“ホワイトペーパーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-7-23

    シェルパ、東洋経済新報社とシステム連携契約を締結

    7月23日、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社が開発・提供する企業向けESG情報開示支援クラウド…
  2. 2024-7-17

    GRI、新たにCSRD/ESRS開示のためのサポートサービスをリリース

    7月10日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新しいGRI-ES…
  3. 2024-7-17

    JCI、1.5℃目標に整合する2035年目標を政府に求める。216団体が賛同

    7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本…
ページ上部へ戻る